本「VLBI技術」の紹介


ウェーブサミット講座 

「VLBI技術」

高橋冨士信・近藤哲朗・高橋幸雄 共著
A5判・280頁 本体価額4700円
オーム社(1997年6月出版)
ISBN4-274-07852-3

英語版の案内(2000年6月出版)

まえがきから抜粋

VLBIとはVery Long Baseline Interferometryの頭文字をとったものであり、 日本語では「超長基線電波干渉計」と一般に訳されている。しかしVLBIという 略称が一番国際的にも、通用するようである。
このVLBIは大きく2つの研究目的に利用されている。一つは本書で詳しく 述べる測地学への応用であり、もう一つは電波天文学への応用である。
VLBIの最も際だった成果は、史上はじめて地球の表面を覆うプレートの 超微速度運動を、地球的規模で実際に測定したことである。詳細は本書に詳しく 述べられているが、このような大変な精度を何故VLBIが実現し得たのか というのが本書を貫く主題といえる。
従来の測地精度を一気に1万倍以上も改善できた秘密、この驚異的精度を生み出した ハードウェア・ソフトウェア・データ解析について、本書は論じている。
このためには多くの工学的・理学的知識を必要とする。この本を学習される方々が、 記述されている高精度達成へのプロセスをじっくりと読まれて、工学と理学の 高いレベルでの壮大な関わり合いについてご理解されることを期待する。 それはそのままGPS技術に関心をもつ学習者にも役立つものであろう。
本書を読まれればVLBI技術は観測から最後のデータ解析まで全くトランスペアレント であることをご理解願えるであろう。米国が技術の中枢点を明らかにせず不透明な 状況のGPSとは対照的であることがご判断願えるであろう。 この意味でもGPS研究者にとっても本書は有益であると考えられる。


正誤表


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1997年6月12日
2008年5月17日更新