FS9によるK−4およびGBRバックエンドの制御
小山泰弘、福崎順洋(国土地理院)、William E. Himwich(NASA/Goddard Space Flight Center, NVI)
Abstract
FS9(Field System version 9)は、NASAのゴダード宇宙飛行センター
で開発されてきたVLBI観測ソフトウェアであり、測地目的と天文目的の双方
で現在多くの観測局で使用されている。このソフトウェアを用いてK−4型
VLBI観測装置とGBR(Giga Bit Recorder)バックエンドとを制御できる
ようにすることは、すでにFS9を用いている多くの観測局にとってこれらの
バックエンドを使用することを非常に容易にする。これまで、K−4観測装置を
用いたVLBI実験を実施するときには、すべての観測局で専用のソフトウェア
を使用する必要があり、観測装置だけではなく観測装置を制御するシステム
も観測局に運搬しなければならなかった。しかし、観測局ですでに使用されている
観測装置制御ソフトウェアをそのまま使用することができれば、K−4観測装置
のみを運搬すれば観測を行うことができる。また、観測装置が複数ある観測局
にとっては、目的に応じてバックエンドを選択して、切り替えて使用することが
できるという利点を生むと考えられる。とくに、国土地理院が整備を進めている
筑波32m局では、IF信号をビデオ帯域に変換する部分にK−4型を使用し、
データレコーダはMark−IV型とK−4型を切り替えて使用する予定である
ので、ひとつのソフトウェアでこのような状況に対応できるようにすることは
大きなメリットがある。そこで、通信総合研究所とNASAゴダード宇宙飛行
センターでは、共同でソフトウェアの拡張を行うことにし、国土地理院の協力を
得て作業を行ってきた。この結果、K−4型VLBI観測装置の基本的な制御を
FS9から行うことが可能となったので、現状と今後の計画について述べる。
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