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視覚障害者も晴眼者も同じように読める点字『Braille Neue(ブレイル ノイエ)』

4 少しの工夫でコミュニケーションは変わる 未来の言語に向けた歩み

今までになかった新しい価値を生む「Braille Neue」ですが、反響はいかがでしょうか。

ありがたいことに色々な方からお褒めの言葉や感謝の言葉をいただいています。
また、各分野の方とご相談の場をいただけているおかげで、すでに試験的に「Braille Neue」を導入してくださっている施設もあります。最近では、渋谷の新庁舎へ導入していただくことが決まりました。導入されれば、館内地図やお手洗いの中などで「Braille Neue」が見ていただけるようになります。

公共施設に導入されれば、視覚障害者の行動の自由も広がる
公共施設に導入されれば、視覚障害者の行動の自由も広がる

見えない人と見える人が共通の言語を使えるようになるのも、そう遠くない未来のような気がします。
最後に、高橋さんが「Braille Neue」で実現したい未来とはどういう未来でしょうか。

以前、神戸アイセンター(*1)で視覚障害者の方向けのイベントが開催された際、「Braille Neue」を使用した参加証を作ったんです。参加証を見ながら、視覚障害者の方と晴眼者の方が、「点字はこう読むんだね」と楽しそうに会話をしていて、「あ、同じツールを使うと、そのツール自体がコミュニケーションの種になるんだな」と気づいたんです。「Braille Neue」は、単なる補助的な道具ではなく、コミュニケーション体験を向上させるものとしての可能性を追求していきたいと考えています。

例えば、「点字」と聞くとマイノリティのためのツールというイメージがやはり存在している。しかし、それは目が見える人が多いから「点字は障害者のためのツールであって、墨字が一般的なものだ」という見方になっていると思うんです。そこにはコミュニケーションの壁が存在してしまいます。どちらかのツールが悪い、というわけではなくて、ツールの目的が個別に限定され、断絶されているから意思疎通が難しいと感じるんです。

マジョリティのツールの良さを活かしつつもマイノリティを巻き込んでいけるような言語が生まれれば、コミュニケーションのあり方は変わってくるはずです。

ソフトウェアがどんどんアップデートしていくように、そろそろ文字もアップデートすべきだと思います。だから僕は、全ての人が障壁なしで使える共通言語を作りたい。その1つが「Braille Neue」なんです。

新しい共通価値を今後も生み出し続けたいと語る高橋さん
新しい共通価値を今後も生み出し続けたいと語る高橋さん

 

(*1)
神戸アイセンター:目の病気から研究・治療、臨床応用、さらにはリハビリ・就労支援までトータルな支援を行う全国初の目の専門施設
http://www.kobeeyecenter.jp/

 

取材協力:
高橋鴻介さん
取材日:
2018年11月

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