第84回KARCコロキウム開催報告
脳のニューラルネットワークの数理モデルについての研究が、最近の複雑ネットワークの研究と関連付けて紹介された。まず最初にWatts、Barabasiらを端緒とする最近の複雑ネットワークの研究の動向が初心者にもわかりやすい形で紹介された後、実際の人の脳の計測データから得られたニューラルネットのダイナミクスについての研究が紹介された。これに続いて後半では、Hopfieldネットワークのトポロジーと連想記憶能力との関係についての講演者による研究結果が示された。シナプス結合の重みを用いてネットワークトポロジーをスモールワールド的にしたニューラルネットでは、同じ平均度数をもつランダムグラフより高い記憶能力を持ちうるとの興味深い結果が紹介され、活発な質疑応答が行なわれた。
参加人数12名(内部12名、外部0名)