第84回 KARC コロキウムのご案内

第84回 KARC コロキウムは終了しました。ご参加ありがとうございました。


開催日時 2007年5月28日(月)  14:00〜15:00
開催場所 未来ICT研究センター 第1研究棟 2階 小会議室
講演 「ネットワーク構造の与える影響について − 複雑ネットワークの応用をめざして」
講演者 山内 ゆかり 先生
(国際基督教大学教養学部理学科 客員准教授)
講演概要 複雑ネットワークとは、従来のグラフ理論で扱われていた完全グラフやレギュラーグラフ、ランダムグラフなどの単純または均質な構造を持つネットワークに対して、より複雑で均一でない構造を持つネットワークの総称とされている。ネットワークの構造とその意味を問う研究としては社会学などに歴史があるが、1998年のWattsとStrogatzによるSmall World network、1999年のBarabasiとAlbertによるScale Free networkに端を発しここ十年でさまざまな分野で研究が活発に行なわれるようになった。 従来の要素間の相互作用を扱う研究では、完全グラフやランダムグラフなどのシンプルなネットワークを想定し、平均場近似を行なうなど、ネットワーク構造の与える影響は考慮しないものが主流であった。複雑ネットワークの概念が広まると、ネットワークの構造が与える影響を考慮して従来のモデルを解析する研究も増えてきている。これらの研究の中で脳内の神経細胞のネットワークに複雑ネットワークの概念を取り入れて解析したものをいくつか紹介する。 また、これまで完全グラフを想定していた一般的なニューラルネットワークの結合関係に、様々なネットワーク構造を適用した場合、どのような影響がみられるかを議論する。具体的には、Hopfield型のニューラルネットワークを用いて連想記憶を行なうシミュレーションを行い、ネットワークの表現能力(想起の成功確率)が、結合関係のネットワーク構造によってどのように変化するかを検証する。また複雑ネットワークの構造を工学的に有効利用するという視点からネットワーク構造の最適化についても議論したい。
使用言語 日本語
参加費 無料
担当者 情報通信研究機構 未来ICT研究センター
鈴木 秀明