第85回 KARC コロキウムのご案内
第85回 KARC コロキウムは終了しました。ご参加ありがとうございました。
開催日時 | 2007年8月21日(火) 14:00〜15:00 |
開催場所 | 未来ICT研究センター 第2研究棟 3階 中会議室「誘電体界面近傍に配置したCdSe/ ZnS量子ドットの放射特性」 |
講演 | 「誘電体界面近傍に配置したCdSe/ ZnS量子ドットの放射特性」 |
講演者 | 奈良岡 亮 先生 (理化学研究所 協力研究員) |
講演概要 | 誘電体界面近傍に蛍光色素が存在する場合,放射された蛍光の一部は誘電体界面に沿って伝搬する表面電磁波と結合する.表面電磁波にともなうエバネッセント光の電場増強を利用することで高感度な一分子蛍光測定が可能となり,タンパク分子の立体構造変化の動態測定などに用いられている.様々な蛍光プローブが開発されるなかで,CdSe/ ZnS量子ドットは通常の蛍光色素と比べて高い量子収率と安定性をもつため,細胞イメージングやバイオセンサーなどのライフサイエンス分野への応用が盛んに研究されている.しかしながら,CdSe/ ZnS量子ドットにおけるエキシトン光学遷移過程は結晶の対称性から結晶軸方向には禁制となる.その結果,CdSe/ ZnS量子ドットの遷移双極子モーメントは結晶軸に垂直な向きの2次元に縮退し平面状となる.一分子認識に用いるためには,その特殊な遷移双極子モーメントの特性を考慮しなければならない.本研究では誘電体界面近傍に配置した単一CdSe/ ZnS量子ドットの蛍光寿命と放射パターンを測定することで,蛍光放射特性の界面による影響について調べた.表面電磁波モードと配向による影響を詳細に調べた結果,界面近傍に配置したCdSe/ ZnS量子ドットの2次元縮退した双極子モーメントを,表面法線方向と平行方向の2つの直交成分の和で表す近似は誤りであることを明らかにした. |
使用言語 | 日本語 |
参加費 | 無料 |
担当者 | 情報通信研究機構 未来ICT研究センター ナノICTグループ 大友 明 |