第86回KARCコロキウム開催報告


第86回KARCコロキウムの様子


脳神経系が自発的に示すダイナミクスについての講演であり、安静状態の脳波(アルファ波成分)の位相分布パターンが頭皮上で描く時空間ダイナミクスが、さまざまな進行波パターンの準安定状態間の遷移として特徴づけられることが説明された。遷移は確率的かつ一過的に起こり、その間隔は十秒程度のタイムスケールで出現する。このことは、脳全体にわたってコーディネートされたパターンが、脳神経系の非線形ダイナミクスから生成されることを示唆している。その生理学的機能や工学的観点からの意義について、活発な質疑応答がなされ、脳の優れた認識機能などにおける役割を明らかにするためには、学際・融合的な研究が重要であるなどの議論がなされた。


参加人数 32名 (内部21名、外部11名)