第105回 KARCコロキウムのご案内

第105回 KARCコロキウムは終了しました。ご参加ありがとうございました。


開催日時 2010年4月28日(水)  15:00〜
開催場所 神戸研究所 未来ICT研究センター 第1研究棟 2階 小会議室
講演 1.「超伝導/強磁性ナノ構造における新奇な量子現象」
講演者 山下 太郎 (情報通信研究機構 神戸研究所
未来ICT研究センター ナノICTグループ 研究員)
講演概要 近年、超伝導体と強磁性体のナノスケール構造における新奇な量子現象に注目が集まっている。超伝導体ではクーパー対によって超伝導電流が運ばれるが、このクーパー対は上向きスピン電子と下向きスピン電子で構成され、トータルとしてはスピンをもたない。一方、強磁性体ではFermi面における上向きスピン電子と下向きスピン電子の数に不均衡が存在するため、強磁性体中を流れる電流は通常の電荷に加えて、スピンを運ぶ性質をもつ。その結果、超伝導体と強磁性体の接合系ではクーパー対とスピンの競合が生じ、π結合Josephson効果等の様々な興味深い量子現象が発現する。本講演では、超伝導体と磁性体の接合系におけるAndreev反射やJosephson効果について解説し、これまで講演者が取り組んできた微視的なメカニズムの解明や、量子現象を利用した新しいデバイスの提案について紹介する。
講演 2.「有機ナノフォトニックデバイスの創製と光非線形アクティブ制御」
講演者 井上 振一郎 (情報通信研究機構 神戸研究所
未来ICT研究センター ナノICTグループ 主任研究員)
講演概要  フォトニクスにおける究極的な目標の一つは、様々な光機能性を持った光コンポーネンツを1チップ上に統合した光集積回路を実現することである。しかしながら光は物質との相互作用が非常に小さく、また回折の効果によって、微小な領域での光アクティブ制御や高機能・高集積化ナノフォトニックデバイスへの利用展開が制限されていた。本講演では、有機非線形2次元フォトニック結晶を創製し、光と物質間の相互作用を人工的に制御することにより、光スイッチングや波長変換といった光非線形デバイスの性能を大幅に向上させることに成功した実証実験を紹介し、従来の光電子素子性能の限界を打破する、極低消費エネルギー・超高速動作可能な有機ナノフォトニックデバイス創出に向けた取り組みを報告する。
使用言語 日本語
参加費 無料
担当者 情報通信研究機構 神戸研究所 未来ICT研究センター
ナノICTグループ グループリーダー 王 鎮