第122回KARCコロキウムのご案内

第122回KARCコロキウムは終了しました。ご参加ありがとうございました。


開催日時 平成27年11月20日(金) 14:00 〜 15:00
開催場所 未来ICT研究所 第一研究棟 2F 小会議室
講演 「量子アニーリングが拓く機械学習と計算技術の新時代」
講演者 早稲田大学 高等研究所 助教 田中 宗氏
講演概要 2011年5月「世界初の商用量子コンピュータ」D-Wave が、D-Wave Systems Inc. より発表された。 D-Wave は量子アニーリングと呼ばれる方式を採用した量子計算デバイスである。 量子アニーリングは、1998年に門脇、西森によって理論提案がなされた日本発の計算技術である。 量子アニーリングは、量子揺らぎに駆動された自己組織化現象を用いた計算技術と考えることもできる方法である。これは組合せ最適化問題に対する最適解を効率良く得ることが期待されている汎用的な方法である。 組合せ最適化問題は、化学物質の安定構造解析、交通網や通信網、電子回路の最適化、作業人員の工程表作成など、あらゆる業界において内在するが、最適解を得ることが極めて難しい問題であるため、最適解を効率よく得る計算技術の開発が強く求められているという背景がある。 我々は2009年から量子アニーリングの本格的活用を視野に入れた研究を進めてきた。 具体的には、クラスタ分析に対する量子アニーリングの有用性の検討である。 クラスタ分析とは、膨大なデータを潜在的意味によって分類する方法を指し、機械学習の一手法である。 量子モンテカルロ法を用いた擬似シミュレーションの結果、従来の手法であるシミュレーテッドアニーリングに比べ、量子アニーリングが有用であることを示唆する結果を得た。 本講演は二部構成を予定しており、第一部として、量子アニーリングの基礎の紹介を行う。 ここでは量子アニーリングの原理だけでなく、D-Wave の内部構造に関する解説も時間が許す限り行う予定である。D-Wave では数々の日本発の超伝導エレクトロニクス技術が用いられている。 続いて、我々の研究である量子アニーリングを用いたクラスタ分析について述べる。
使用言語 日本語
参加費 無料
担当者 情報通信研究機構 未来ICT研究所
ナノICT研究室 研究マネージャー 寺井 弘高