私たちの研究室では、動物の行動が起こる仕組みを、分子(遺 伝子)・細胞(脳)・個体のレ ベルで解明していくことを目指しています。
山元らは、遺伝的に性指向性が変化して雄がもっぱら雄に求愛するようになったショウジョウバエのsatori変異体について長年研究してきました。ようやく最近になり、satori変異体雄を羽化後単独で飼って他の雄から隔離すると、その後、雄への求愛をわずかしかしなくなることを知るに至りました。山元研の古波津は、野生型の雄をトレッドミルに乗せて脳の特定のニューロン(P1)を刺激しながらコンピュータディスプレイ上の動く光点を見せると、雄がこの光点を追って求愛することを発見しました。satoriの雄は、P1ニューロンへの刺激がない状態でも動く光点に求愛し、しかもこの“無差別求愛”は他の雄との接触を断って飼われた雄では見られないことから、satoriの同性愛求愛と同様に、社会経験依存的であるとしました。この成果が、朝日新聞の科学面で紹介されています。
恋の相手は育ち方で変わる・・・
朝日新聞 科学面 2015年4月23日朝刊
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