私たちの研究室では、動物の行動が起こる仕組みを、分子(遺 伝子)・細胞(脳)・個体のレ ベルで解明していくことを目指しています。
ショウジョウバエの実験といえば、普通、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)を使ったもので、他の種はこれまで遺伝的操作が困難なため、ほとんど研究されてきませんでした。しかし、行動の多様性の秘密を解き明かすには、これまで実験困難とされてきた種について、研究を進める必要があります。山元研究室の田中良弥らは、光を当てるとニューロンに興奮を起こさせることのできるタンパク質の遺伝子を、Drosophila subobscuraという種のfruitless遺伝子中にCRISPR-Cas9法によって導入し、fruitless遺伝子を発現しているニューロン群を光によって興奮させて、その雄に求愛行動をさせることに成功しました。この種の雄は雌に口移しで食べたものを渡す婚姻贈呈というかわった求愛行動をします。婚姻贈呈をするために必須の“吐き戻し行動”が見事、光照射によって引き起こされました。
J. Neurosci. 37, 11662-11674.
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