低遅延で多数の無線端末と同時通信できる無線アクセス技術(STABLE)

複数の無線端末が同時に同一周波数で電波を送信!電波が衝突しても通信が可能です。

プレスリリース

2018.08.20.

周波数利用効率を2.5倍改善する無線アクセス技術STABLEの屋外実証に成功

実証実験中

研究者より

複数端末が同時に同一周波数で電波を送出しても通信を可能とする非直交多元接続技術の研究開発及び実証実験を共同で行って頂けるパートナーを探しています。また、具体的な利用シナリオや利用シーンのアイディアを提案頂き、当該技術の実用化の検討を共同で行って頂ける企業等も募集します。

ネットワーク研究所ワイヤレスネットワーク研究センター
ワイヤレスシステム研究室

概要

AI/IoTの普及にともない、今後、爆発的に小型無線端末は増加するものと考えられています。これらの端末がインターネットに一斉に接続しようとする環境では、無線トラフィックが膨大になり過ぎて既存の無線システムでは処理しきれません。これまで以上に周波数資源を効率よく利用し、電波が衝突しても通信できる無線アクセス技術が求められています。

従来の技術では基本的には1つのアンテナの同一時間同一周波数に1台の無線端末しか通信を許されていませんでしたが、私たちは5台の端末の同時通信に成功しました。また、AIの活用や自動運転等に無線端末が使われるとき、低遅延が求められる状況が今後多く発生すると考えられます。

私たちは低遅延通信にも力を入れており、信号処理時間も含めて4ミリ秒未満の低遅延を実現しています。私たちはこの無線アクセス技術をSTABLE:Simultaneous Transmission Access Boosting Low-latency (ステイブル)と名付けて研究開発を行っています。


図1 超小型・広帯域波長可変光源

提供内容・活用

非直交多元接続の技術及び実証実験のノウハウを御提供いたします。実環境での無線システムの挙動についての検証が可能であり、より実用に近い状態で試験が可能です。端末数は10台分までの信号を送信でき、今後、これらの端末数をさらに増やして実験することが可能な環境が整います。この技術は、工場内等の有線通信の無線化、スタジアム等の混雑エリアの情報収集などに利用できる技術と考えています。また、国内企業と連携して安全安心のシステム等の実証実験を行った実績もあります。共同研究や実用化に向けてSTABLEの利用をご検討ください。無線システムに応じて無線仕様を修正することによりセルラーシステムだけでなくLPWA等への応用も可能です。


図1 超小型・広帯域波長可変光源

関連情報

Webサイト:低遅延・多数接続ワイヤレス

本研究の一部は、総務省・電波資源拡大のための研究開発「多数デバイスを収容する携帯電話網に関する高効率通信方式」によって行われました。

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