
Beyond 5G向け電気光学ポリマー無線-光信号変換デバイス技術
高速無線信号から光信号へのシームレスな変換を実現します

特許
第7244924号 US 11194225 B2

研究者より
EOポリマーデバイスは、高速性と低消費電力性に優れるため、6Gやそれ以降において重要性がますます高まることが期待できます。デバイスの実用化に向けて、デバイス開発やプロセス開発を共同で行うことができる企業や団体との共同研究を希望します。まずはご相談ください。
ナノ機能集積ICT研究室
概要
Beyond 5Gでは、100 GHz以上の周波数の高周波電磁波を用いた無線通信が見込まれており、その実現に向けて、光ファイバーを用いて無線信号波形を伝送する光ファイバー無線(radio-over-fiber)が注目されています。光ファイバー無線では、端末との間で信号の送受信を行うリモートアンテナや、モバイルフロントホールの一部無線区間における送受信部において、無線信号から光信号への変換が必要になります(図1)。このような無線-光信号変換を実現するため、高性能かつ小型、低コスト、低消費電力なデバイスの開発が求められています。
電気光学(EO)ポリマーは、無機非線形光学材料と比較して大きなEO係数を有するとともに、数百GHz以上の超高速光変調を可能にすることから、EOポリマーを用いることで無線信号から光信号への直接変換を行うデバイスの実現が期待できます(図2)。これまで、150 GHz以上の高周波電磁波を用いた直接光変調の実証に成功しています。

提供内容・活用
本技術は、高性能かつ小型、低コスト、低消費電力な無線-光信号変換を実現するための基盤技術であり、2030年代以降の社会実装に向けて研究を進めています。従来技術では、デバイス作製においてEOポリマー導波路部分に電圧を印加するため導電性のクラッドが必要でしたが、導電性のクラッドによる高周波電磁波の吸収損失などが課題となっていました。開発技術では、予めポーリングを行ったEOポリマー膜を転写することで、高周波電磁波の吸収損失が小さな材料基板を用いた高効率なデバイスの作製が可能になりました。



Beyond 5G向け電気光学ポリマー無線-光信号変換デバイス技術
高速無線信号から光信号へのシームレスな変換を実現します
関連情報
文献:
T. Kaji, I. Morohashi, Y. Tominari, M. Ohara, T. Yamada, A. Otomo, “D-band optical modulators using electro-optic polymer waveguides and non-coplanar patch antennas,” Opt. Express, 31, 17112−17121 (2023).
T. Kaji, I. Morohashi, Y. Tominari, N. Sekine, T. Yamada, A. Otomo, “W-band optical modulators using electro-optic polymer waveguides and patch antenna arrays,” Opt. Express, 29, 29604−29614 (2021).
T. Kaji, Y. Tominari, T. Yamada, S. Saito, I. Morohashi, A. Otomo, “Terahertz-wave generation devices using electro-optic polymer slab waveguides and cyclo-olefin polymer clads,” Opt. Express, 26, 30466−30475 (2018).