
電気光学(EO)ポリマーを用いた新規テラヘルツ波検出方法と素子

特徴・優位性
- 従来の電気光学結晶に比較して、広いテラヘルツ周波数帯域(0.1~20THz)での高効率な検出が可能
- 非常に薄い薄膜(1μm程度)を通過する瞬間的なテラヘルツ波電場により変調された透過光強度変化を測定するため、高精度での実時間計測及び超広帯域検出が可能
用途・応用分野
- 非侵襲電界センサー・イメージング
- 電子線、X線、中性子線検出
- Beyond 5G(6G) 次世代無線通信システム

概要
高性能、高機能な電気光学(EO)材料であるEOポリマーを用いて超広帯域なテラヘルツ波検出を可能とする新規検出方法を開発しました。テラヘルツ電場ETHzによって、EOポリマーの吸収スペクトルがシュタルク効果によってシフトすることを利用した検出方法です。EOポリマーは他の材料系に比べて広いテラヘルツ周波数帯域で透明であり、しかも非常に薄い薄膜(1μm程度)を通過する瞬間的なテラヘルツ波電場により変調された透過光強度変化を測定するため、テラヘルツ電場ETHzの高精度での実時間計測及び超広帯域検出が可能です。
本技術は、励起・プローブ光用のフェムト秒レーザーを用いて超広帯域のテラヘルツ波検出を可能にするものであり、従来方法である電気光学結晶を用いた電気光学サンプリング法と比較して、簡易な光学系を用いて、超広帯域検出が可能です。様々な非接触検出への応用が期待されるとともに、アンテナ構造、表面プラズモン、フォトニック結晶との組合せにより、検出効率の大幅な改善も期待できます。また面状の検出媒体であるため、イメージング用途での応用も考えられます。(2025年6月19日更新)





電気光学(EO)ポリマーを用いた新規テラヘルツ波検出方法と素子
関連情報
- 紹介記事(日刊工業新聞):2022.03.15.NICT先端研究/EOポリマー、高周波電界計測に貢献
- 特許: 7142904号
- 文献: T. Yamada, T. Kaji, C. Yamada, and A. Otomo, “Terahertz wave detection by the Stark effect in nonlinear optical polymers,” Jpn. J. Appl. Phys. 58, 040901 (2019).
- 紹介記事(日刊工業新聞):2022.03.15.NICT先端研究/EOポリマー、高周波電界計測に貢献(https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00630632)
- 特許: 7142904号
- 文献: T. Yamada, T. Kaji, C. Yamada, and A. Otomo, “Terahertz wave detection by the Stark effect in nonlinear optical polymers,” Jpn. J. Appl. Phys. 58, 040901 (2019).
担当部門
未来ICT研究所 神戸フロンティア研究センター ナノ機能集積ICT研究室
未来ICT研究所 神戸フロンティア研究センター ナノ機能集積ICT研究室(https://www2.nict.go.jp/nano/index.html)