第97回 KARCコロキウムのご案内
第97回 KARCコロキウムは終了しました。ご参加ありがとうございました。
開催日時 | 2009年1月15日(木) 13:30〜14:30 |
開催場所 | 未来ICT研究センター 第2研究棟 3階 TV会議室 |
講演 | 「DNAを鋳型としたモータータンパク質複合体の構築:多分子機能の理解にむけて」 |
講演者 | 古田 健也 先生 (日本学術振興会 特別研究員) |
講演概要 | 近年,1分子計測技術により分子機械としてのモータータンパク質の作動機構の詳細が明らかになってきた.生体を構成する部品である分子一つ一つの性質を調べあげることは,生命現象を理解するにあたって必須であることは明らかである.しかし,これらの部品が組み上がって出来ている生体システムの性質は,必ずしも部品の足し合わせとして理解出来るとは限らない.なぜなら,それぞれの部品自体が無数の自由度を持つ高分子であって,歯車を組み合わせた時計とは異なり,これらの部品同士の相互作用はシステム全体からの影響を強く受けるため,部品の性質だけからシステム全体の振る舞いを推測することが容易ではないからである.実際に,生体においてモータータンパク質は多分子で機能していることが多く,それゆえ多分子複合体の中で各分子がどのように相互作用して機能を実現しているかという疑問が生じる.ただし,この問いに正面から答えるためには,一分子計測技術から更に発展した技術を要する.つまり,1分子から2分子,2分子から3分子と分子数を明示的に増やして行った場合の複合体の挙動を観察し,これらを記述するモデルを組み上げて理解するというボトムアップ的,構成的なアプローチが必要となる.今回は,複合体の中のモータータンパク質分子の数を決める方法として特異的なDNAのハイブリダイゼーションを用いた技術を紹介し,これまでに得られた予備的な結果を報告する予定である. |
使用言語 | 日本語 |
参加費 | 無料 |
担当者 | 情報通信研究機構 神戸研究所 未来ICT研究センター バイオICTグループ 特別研究員 鳥羽 栞 |