かぶるだけで手軽に正確に脳波を測ることのできるウェアラブル脳波計を開発し、脳波と脳のはたらきとの関係を研究しています。皆さんもその脳波計を着けて、脳波が変わる様子を見たり感じたりしてみませんか?また、ここでは脳の小さな模型を作ることができます。
今日のICT社会の発展は機器内部の素子や微細回路などの高度なデバイス技術なしには成り立ちません。ここでは、革新的なデバイス技術を産み出す研究開発を実施するために設置された新クリーンルーム棟やクリーンルーム、その中に整備された実験機器などについて紹介します。
物質の電気抵抗が完全に無くなる超伝導現象を利用すると、究極感度の光・電磁波センサや、超高速・超低消費電力な回路を実現でき、光通信の革新である量子通信の進展に向けたキーテクノロジとして期待されています。展示では超伝導現象が発現する極低温(-196℃)の世界を体感していただくと共に、光の"粒"を検知する超伝導デバイスを用いた研究成果を紹介します。
電波と光とその境界にあるテラヘルツ波、全て電磁波の仲間です。でも波長の違いにより異なった特徴を持っています。当日はテラヘルツ波の特徴とそれに基づいた利活用法について、NICTの取り組みと共に説明します。また簡単な実験を基に、波長の違いによる電磁波の特徴を実感して頂きます。
NICTでは、原子時計をもとに日本標準時を作り、世界の標準時と比べ、日本中の皆さんへ日々配っています。この業務はNICT本部(東京)で行われていますが、本部が被災しても日本標準時が途切れないよう、神戸に副局の整備を進めてきました。展示では、原子時計からつくられる日本標準時のしくみと、6月から定常運用を開始した副局の概要をご紹介します。
電波監視用機器や電波の利用に関するパネルを展示、簡単な電波クイズを通して電波の正しい利用についてご紹介します。また、電波に関する相談コーナーを設置しています。
NICTは、1948年に当時の逓信省が開設した「電気通信研究所」(通研)をその起源としています。NTTやKDDIの研究所の起源でもある通研の発足から今年で70年になることを記念して、期間限定で開局しているアマチュア無線局を、公開運用いたします。また来年に30周年を迎える未来ICT研究所が、関西先端研究センター(KARC)として開設された当時の歴史を紹介する資料も、合わせて展示いたします。
記憶神経生物学プロジェクトでは、ショウジョウバエを使って記憶のしくみを解明しようとしています。ショウジョウバエの遺伝子操作、染色体操作を使うことによって、ハエの脳の中で食べる行動をコマンドしている細胞、”フィーディング・ニューロン”で記憶ができるしくみがわかります。それによって、脳の素子のレベルでの記憶のしくみを初めて知ることができますので、脳の素子と同じように動くシリコン素子を開発することによって、本当に脳の記憶をまねた"真の人工知能"を作ることを試みています。この世界でも類をみないアプローチの一端に触れてみて、また、体験してみてください。
私たちの研究室は、今年度に発足した新しい研究室です。動物は種ごとに違った行動をします。例えば、ショウジョウバエのオスは同種のメスに出会うと、翅を振るわせて求愛歌を奏でる種もいれば、メスにプレゼントを渡すものもいます。このような行動の違いが、脳のどのような違いによって生み出されるのかを、分子(遺伝子)、細胞(脳)、個体レベルの実験手法を統合して明らかにしていきたいと思っています。これまでの研究成果を、ショウジョウバエの実物や顕微鏡観察を通して、分かりやすく紹介します。
激しく降る雨は、最先端のフェーズドアレイ気象レーダ(PAWR)を使うと、その内部構造が三次元的に観測できるのですが、その雨のもとになる水蒸気(気体の水)はレーダでは観測できないのです。NICTでは地上デジタル放送波をピコ秒レベルの高精度で測定することで、大気中の水蒸気量が推定できることを実証しました。その測定装置を展示して、ピコ秒レベルの測定を体感して頂きます。
ナノ機能集積プロジェクトでは、高分子材料の合成やナノスケールでの超微細加工といった最先端技術を駆使することで、小型で低消費電力な光集積デバイスの開発を行っています。これにより、これまでにない超高速・大容量の光通信が可能となります。また低次元物質機能融合プロジェクトでは、バイオ材料や原子層材料がもつ特異な機能性を応用した光ICTデバイスの研究開発も行なっています。本公開では、最新の各研究成果を紹介すると共に、研究と関連した光の偏光、複屈折といった基本的な原理や特性などを簡単な実験や模型などを用いて分かり易く説明します。
量子ICT先端開発センターでは量子力学を直接操る「量子通信」の研究を行っています。 量子力学を使いこなせば、現在使われている情報通信技術の諸問題に革新的な解決法をもたらすヒントが幾つも見えてきます。 展示では究極的な安全を実現する量子暗号ネットワーク、量子コンピューター技術を応用した量子時計などの最新の研究成果を紹介します。
深紫外(DUV)は紫外(UV)よりも、さらに波長の短い光です。深紫外光ICTデバイスが実現されれば情報通信から環境、安全衛生、医療に至るまで、幅広い分野の生活・社会インフラに画期的な技術革新をもたらすことが期待されています。本公開では深紫外光デバイス研究開発の最新成果を紹介すると共に、その基本的な原理や仕組みなどについて分かり易く説明します。
生き物の体の中では、タンパク質などの生体分子が互いに作用し合い、その働きを自在に変えながら複雑で巧妙な生命活動を支えています。コンピューターを使った情報処理とは全く異なった、自律的で柔軟性の高い情報処理が行われています。生体物性プロジェクトでは、生体分子による情報処理のメカニズムを、光学顕微鏡を使って詳しく調べ、生体分子の働きを「将来の情報通信・処理技術」に役立てる基礎研究を行っています。その研究をここで紹介します。
生物の情報は遺伝子によって伝えられますが、その遺伝子の細胞内での振る舞いをパネル展示やビデオを使ってわかりやすく紹介します。また、生きている細胞(ヒト細胞、テトラヒメナ細胞)の様子を観察し、実際に遺伝子の本体であるDNAを簡単な実験で取り出し(ブロッコリーを使用)、実物を手で触れることができます。