情報通信研究機構 未来ICT研究所

CREST-Brainイメージングチーム

Japanese|English

CREST-Brainイメージングチーム 研究概要

我々、CREST-Brainイメージングチームでは、情報通信研究機構 未来ICT研究所において、次の2つの課題に取り組んでいます。

  • マルチモーダルfMRI による生理学的状態の決定とfMRI 計測の定量化
  • ヒトにおける循環・自律系の変化が NIRS および fMRI 信号値におよぼす影響の検証

これまでに、脳波、心電図、呼吸等の多様な生理学的指標とfMRI/NIRS の同時計測・解析法の開発を進め、脳波とfMRI の同時計測では、脳波に混入する磁気共鳴装置由来の巨大なノイズをほとんど除去することに成功し、脳波とfMRI信号変化との直接的な対応を検証することが可能となりました。その一例として、我々は、レム睡眠中の急速眼球運動に伴う脳活動を明らかにしました。(Miyauchi et al., 2009)

Our team's EEG and fMRI simultaneous EEG-fMRI recording system

Brain Activation accompanying REMs during REM sleep

さらに、生理学的指標とfMRIの同時計測によって、fMRI信号に混入する種々のノイズを除去しfMRI信号解析の精度を向上させるだけでなく、特定の生理・覚醒状態において循環・自律系の変化がfMRI信号に影響を及ぼすことが明らかになってきました。

また、spontaneous BOLD analysis を用いて、各々の睡眠段階(ノンレムおよびレム睡眠)における特徴的な神経基盤を明らかにしました。この結果は、特定のタスクを課すことなく、たとえ明瞭な意識が存在しない状態(たとえば睡眠中など)でも、ヒトの生理状態や覚醒状態に特徴的な神経回路をfMRIを用いて同定することが可能であることを示しています。