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ウェブアクセシビリティ向上システムの導入(鳥取県公式ホームページ「とりネット」) (3/4)

3. 障がい者雇用促進のきっかけに

今回のウェブアクセシビリティ向上事業では、まずは「とりネット」約4万ページを対象に「WAIS」を用いて機械的にクローリング(※1)し、Alt属性(※2)の有無や代替テキストの有無など、JIS要件に基づく各項目について徹底的にチェックを行いました。さらに障がいをお持ちの方からの報告も加え、発見された合計約4万6千件の問題個所に対して修正を行いました。言ってみれば、全てのページに何かしらの修正が入った、という計算になります。この大量の修正作業を行っていただいたのが、「チャレンジド」と呼ばれる障害者の皆さんです。
※1クローラーと呼ばれるプログラムが自動的にWebサイト上のリンクをたどりながら情報収集を行うこと。
※2 Alt属性とは、イラストバナーや画像などにカーソルを合わせたときにポップアップして表示されるコメント。

ただし、突然「htmlを理解してください」「サイトを修正してください」と言っても、なかなかできることではありませんよね。そこで2010年10月のサービスイン当初は、ICTを使った仕事に長けている県外の障がい者団体に委託して、まずはひと月ほど、約3万ページ分の修正を行っていただきました。その後、やはりなるべく県内の障がい者の皆さんに就業の機会を持っていただきたいということで、鳥取県情報センターが中心となってノウハウ移転を図り、トレーニングを実施。1か月後には県内の障がい者団体に作業を移行して、ここで残り1万ページほどの修正をいたしました。障がい者の方の中には、いろいろな障がいをお持ちの方がいますが、ある程度トレーニングをすると、相当作業を進められることが、ここでわかりました。

つまり今回の事業には、ウェブアクセシビリティの向上という本来の目的以外にも、県内の障がい者の方々の雇用促進、人材育成という側面もあるのです。ホームページというものは、恒常的に新しいページを作成していきますから、継続的な雇用創出につながるのではないか、と。そして将来的には、この「WAIS」と障がい者・高齢者雇用が一体となった社会システム自体を、鳥取県情報センターが提供するひとつのサービスとして、他の県や国の機関でも使っていただければいいなと思っています。それが鳥取県の経済の発展や、さらなる鳥取県内の障がい者雇用の促進につながっていってほしいと願っています。

この事業は、平成21〜22年度の「ICTふるさと元気事業」として鳥取県情報センターが主体となって推進していましたが、平成23年度からは今度は我々鳥取県側が鳥取県情報センターに委託する形で、継続して行っていく予定です。

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