グリズデイルさんは、普段ICTをどのように使っていらっしゃいますか?
グリズデイル:日常生活において、外出時の移動ナビゲーションは欠かせません。電動車いすにスマートフォンを装着しており、常にマップを確認できるようにしています。なかでも「Google マップ」はよく使いますね。その他にも、地域の店舗や施設の設備などのバリアフリー情報が充実している「Bmaps」や「WheeLog!」は、車いすユーザーにとても助かるアプリです。たとえば、橋を渡るときに、少し段差があって車いすでは渡れないこともあります。ある程度、「Google マップ」で走行ルートを確認したあとに、「WheeLog!」で、アプリユーザーが実際に走行したログを確認するという使い方をしています。
電動車いすにスマートフォンを装着して、移動中は即座に操作できるようにしている
様々なアプリを使い分けていらっしゃるのですね。現在、日本の情報バリアフリーに関して、どのような部分の改善を望まれますか?
グリズデイル:日本はデジタルやICTの部分ですごく進化している部分と、そうではない部分がはっきりしていますよね。たとえば、「Suica」などの交通系ICカードの技術は世界でも稀にみる高度な技術だと思いますし、だからこそここまで普及したのだと思います。逆に、いまでもFAXを使っている企業もあって、そのギャップがユニークです。情報バリアフリーに関しても、デバイスの操作補助に関わる色々なツールが充実している一方で、ウェブアクセシビリティの観点でホームページを制作しているケースがまだまだ少ないかもしれません。情報バリアフリーは特別なことではなくて、当たり前なんだという意識が定着すると、色々なモノゴトが情報バリアフリーを前提に開発されるのではないでしょうか。