「ことばの道案内」とは、主に視覚障がい者に対し、地図等の画像ではなくことばの説明によって、目的の施設までの道のりを案内するサービスです。あらかじめテキスト化した道案内情報をインターネット上で公開し、音声読み上げブラウザや携帯電話等を用いて利用していただけるようにしています。
検索は、地域を選んだあと、分類別とキーワード別にできるようになっています。分類は、障がい者施設や団体をはじめ、保健センター・福祉会館、公共・役所関連のほか、劇場・ホール・スポーツ施設、商業施設など、多岐にわたっています。
ルートを新たに製作するときは、まずはスタッフ間でミーティングを行い、「道案内」を作る場所や手順の確認、表現方法の検討などを行います。それから、市販の地図などを参考に、現地に行ってロードカウンターで距離を測りながら、視覚障がい者が安全に目的地に到着することができる道順を調べます。その際は必ず、視覚障がい者と健常者がひとつのチームになって出かけるようにし、実際に利用する側からの視点を重視するようにしています。この現地調査は、最低3回、チームを変えながら行います。
調査済みの情報は、データ入力をしていきます。多数の人が同じ表現でデータを蓄積できるように、開発した専用ソフトで入力し、現地調査のたびに手直しをしていきます。最後に公開前データで最終的な表現のチェックを行い、公開に至ります。
このように製作過程を追っていくと、大変手間がかかっているように思われるかもしれませんが、情報の不均一さや不正確さは利用者を混乱させる要因となるので、絶対に避けたいのです。安心で安全な情報を提供するためには、全て必要な工程だと思います。その一方で、データ入力などデジタル技術を活用してできる情報処理は、積極的に取り入れるようにしております。