ありがたいことに、今は全国各地から「言葉の地図」の作成依頼を幾つもいただいておりますので、それらの開発に順次着手していっている状況です。道案内を作るには、そこで暮らしている方々の視点が不可欠です。私たちスタッフが現地に赴き、現地の方々と一緒になって方策を探りながら、よりよい道案内に仕上げていくことが大切だと思っています。
現在は、駅などの公共施設を起点とした、より多くの方々に使っていただける道案内を提供しています。ただし、利用者からは、「自宅を起点とした道案内を作って欲しい」というご要望もよくいただきます。ひとりひとりのニーズに対してどのように対応していくか、という点は、これからの課題であると認識しています。
今後は、道案内をより的確かつ安全に行えるように、案内精度のさらなる向上を目指していきたいと思っています。そのためには、日々変わる道路(歩道)状況の変化に対応するため、作成済み道案内のメンテナンス(更新)活動も重要な活動と考えております。特に、GPSや地上波デジタル信号を用いた誘導実験は積極的に行っていく予定です。東日本大震災の際、路上にICタグが埋め込まれた地域が浸水したケースがあったのですが、それでもタグの機能は正常に動作していたそうです。近い将来は、視覚障がい者のみならず、高齢者や子どもの安全誘導に用いる可能性もでてくるはずですので、引き続き、音声対応したインターネット環境の整備にも取り組んで行きたいと思っています。