サイトマップ - ヘルプ - お問い合わせ
 
 
現在位置: トップページ > トピック記事 > 高齢者・障害者支援サービス・取組 > 遠隔手話通訳サービスで、手話のインフラ構築をめざす(3/5)

遠隔手話通訳サービスで、手話のインフラ構築をめざす(3/5)

3 手話サービス誕生のきっかけ――聴覚障がい者の抱える問題

 昔から手話には興味がありました。大学時代、手話をやろうかと考えていたとき、偶然にも友人から「手話をやらないか」と声をかけられたんです。そこで、2007年10月、「I’m 手話」という手話サークルを立ち上げました。

 その後、偶然は重なるもので、『2007年NHK紅白歌合戦』への出演依頼があり、紅白に出ることになりました。すると、出演後から「手話をやってほしい」という問い合わせがひっきりなしに続いたんです。そこで、聴覚障がい者が楽しめるエンターテイメントがないことを知りました。そのことをきっかけに学生団体を立ち上げ、聴覚障がい者のための手話のコンテンツの制作・配信に取り組み始めました。これが、今のシュアールの前身です。

 聴覚障がい者の方と過ごすうちに、もうひとつ気づいたことがありました。

 健聴者と上手くコミュニケーションが取れないために、障がい者手帳があるのに、割引が使えなかったり、医師との会話に不安を感じるため、病院に行くことを我慢したりしているケースがあるのです。

 私は愕然としました。健聴者にとってごく当たり前のサービスを、「きこえないから」という理由で受けることができないことに、果たしてこれでよいのかという疑問が湧きました。その思いが、手話サービスで起業するきっかけになったんです。そして、「聴覚障がい者も、健聴者と同じように最低限のサービスを受けられる社会」を目指す一環として、この遠隔手話通訳サービス(モバイルサイン)をスタートさせました。

 昨今のICTの発達により、iPadや高性能のパソコンの発売など、遠隔手話通訳を行なうことができる環境が整いつつあります。遠隔手話通訳(モバイルサイン)を利用することで、わたしは、聴覚障がい者も、健聴者と同じように積極的に社会と関わってほしいと思っています。

ページの先頭に戻る

前へ 目次へ 次へ