私達の開発している「見守りロボット」は、介護施設において、夜間に自動巡回するロボットです。巡回中に、何か異常(たとえば徘徊している人など)を検知すると遠隔にいる施設スタッフに通知する仕組みです。通知は、スタッフの携帯端末や施設の管理端末に送られます。
ロボットの上部には、モニタリング用のカメラと通話用のマイクとスピーカーが装備されています。ロボットのカメラを通して、施設の常駐スタッフが遠隔から、映像をリアルタイムにモニタリングしたり、その場にいる入所者とマイクとスピーカーで声がけや通話をすることが出来ます。暗闇でも映せる赤外線カメラを搭載しており、夜間の使用に適した仕様となっています。赤外線カメラであれば、夜間にライトアップする必要もありませんので、例えば寝ている人をびっくりさせたりすることもありません。カメラは、垂直120度、水平90度の広角カメラを使用し、ロボットから1mの距離で床下から天井3メートルまでを一度にモニターで確認することが出来ます。例えば、床で転倒されたり、壁に寄りかかったりしている人も非常に見つけやすくなっています。
ロボットは形状にもこだわって設計しています。ロボット上部に取り付けたカメラの高さは120センチですが、この高さはベッドで起き上がったり、座った状態の高さとちょうど同じくらいです。また車いすの方の目線の高さや、こどもが立って話す高さを意識して設計したものです。
低重心化して倒れにくくつくられているのも特徴です。手で倒そうと思っても簡単には倒れません。一方で軽量化も行っていて、重量は6kg程と、女性が片手でも持ち上げることが出来るようになっています。万が一の不測の事態が起きた場合、ロボットは現場にいて邪魔になることもありえます。そうした場合、誰でも簡単に片付けることが出来るように配慮しました。
デザインをスタイリッシュにしたところもこだわりのひとつで、2013年のグッドデザイン賞を受賞いたしました。
見守りロボット外観図。各種のセンサーを搭載している。
2013年のグッドデザイン賞を受賞したスタイリッシュなデザイン