ガイドグラスは視覚障害者の歩行や生活の支援に役立つものではありますが、その使い方はさまざまな領域に及ぶと考えています。昨今、海外からの旅行者の増加がニュースになっていますが、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、今後も大幅に増加すると言われています。その旅行支援サービスのひとつとして、ガイドグラスはユーザーの視界や位置情報を把握できることで、今までにないカスタマイズされた観光案内やナビゲーションを提供できるはずです。また、老人や子供にとってはリアルタイムで見守りができること、視界映像が自動的に録画されるので、アクシデントが発生した際にはドライブレコーダー的な役割を果たすこともできます。位置情報を使えば、社会問題にもなっている認知症患者の徘徊などにも対応がしやすくなるはずです。
視覚障害者の方々にこのシステムを使っていただくだけでは、マーケットも小さく、ガイドグラスの普及スピードはあまり期待できないかもしれません。ガイドグラスの利用場面が増えることで、メガネ型端末などのウエアラブル端末が進化し、その購入者が増え、価格が下がり、必要とされる方々が気軽に利用できる環境が整っていくことも大事だと考えています。