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公共交通機関の情報を視覚障碍者へ届けたい
東京大学坂村・越塚研究室の取り組み

4 視覚障碍者に最適な操作性の実現と今後の汎用性

プロトタイプを開発した段階で、当時筑波大学附属視覚特別支援学校の教諭で、ご本人も視覚障碍をお持ちの高村明良先生にも協力を得て、実際のユーザーとなる視覚障碍者の方々にテストしていただき、操作や機能に対するリクエストをいただいたり、視覚障碍者に本当に使いやすいものとなるように慎重に開発を進めました。例えばスマートフォンを指でなぞる「スワイプ」動作。一本指と二本指のスワイプを組み合わせて素早く情報を探せるようにしました。また、お気に入りを設置したり、操作に応じて効果音を変えたり、シェイクすることでTOP画面に戻る機能など、ユーザーの声を数多く反映することができています。今は実証実験が終了していますが、利用いただいた視覚障碍者の方々に好評で、早々に世に出せるものにしていきたいと考えています。

ユビキタス社会では、さまざまな障碍や年齢・性別・国籍に関係なく、すべての人々がコンピュータの恩恵を得られることが大切です。TRONプロジェクトが開発している技術は、「イネーブル(障碍等を意味するdisableの反語で、可能にするという意味:造語)」という坂村教授の思想を基本設計の柱の一つにしています。今後は聴覚障碍者向けや高齢者向けに改良したものや外国人向けに多言語化をするなど、坂村教授が提唱する「イネーブルウェア」の一つとして、社会問題の解決につなげていければと思っています。

視覚障碍者向けバス・電車利用支援アプリ「Talking Transit」のデモンストレーション動画
(動画を見る場合は上の画面の左下の三角矢印をクリックしてください)

 

取材協力:
東京大学大学院情報学環 坂村・越塚研究室
取材日:
2016年1月

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