子供たちの変化については、「もっとこうしてみたい」と学びに対する意欲が出てきたケースが多い。動画編集に関しても「こうすれば動画が作れるんだ」ということが分かれば、さらに難易度の高いことにチャレンジしたくなるようです。保護者から、「授業が楽しみだからと宿題を早く終わらせています」という話も聞くこともあり、こうした変化を耳にすると嬉しさを感じます。
「MESH」(ソニー)というIoTブロックは、アプリと連動して使う電子タグで、「LED」「ボタン」「人感」「動き」「明るさ」「温度・湿度」「GPIO」など7種類の機能を持っています。さまざまなモノに装着できるタグは機器に対して命令を出すことが可能で、「ゴミ箱に人感タグを付けて、人が近づいたらゴミ箱が勝手に開く」といった発明ができるのです。これを教材にすることで、リアルとバーチャルがどう融合しているのか、体感で学ぶことができます。また、おもちゃのドローンを使った授業をすることもあります。今後、ドローンは空撮だけではなく、産業活用がますます盛り上がると考えられるので、たとえば車椅子のチャレンジドが操縦士や写真家として活躍する可能性も広がっていくのではないでしょうか。
トイドローンも教材として活用。
プログラミングにこだわらず、将来性を感じるアイテムは積極的に取り入れている
現在、講師は私一人ですが、今後はより広範囲の内容をカバーするために、大学の教育学部や工学部の学生に向けて、アルバイトの募集をかけているところです。これからは、教育者を教育する役割も担っていきたいと思っています。また、長期入院中の子供への家庭教師派遣について、どう取り組んでいくかも考えていきたい。病院での通信環境をどのようにして確保するかも、これからの課題です。
ICTは時間も場所も選ばないところに価値があり、またそのことは教育の可能性を広げるうえで欠かせない要素だと思います。ICTによって環境にとらわれず、家庭教師がマンツーマンでサポートしながら好きなことについての学びを深めることは、子供の成長にとってプラスになることだと考えています。そのためにも草の根的な家庭教師事業で、その魅力を広めていきたいと思います。