また、講座を通じて、アナログからICT端末まで、コミュニケーションツールを網羅的に学ぶことができます。それによって、たとえば支援者が「患者の症状に応じた、より便利で快適なコミュニケーションツールはないか」と感じたときに、難病当事者の方により適したツールを提案することにもつながるのではないかと考えています。
講座の内容について、参加者からは「座学だけではなく演習をふくめた講義でわかりやすかった」「以前からICT端末を活用したコミュニケーションは知っていたものの、体験する機会がなかったので良かった」と好評をいただいています。医療福祉関係の方が広く参加されている講座ですが、なかでも作業療法士は普段から患者と直接対話しながらリハビリテーションをしているとあって、講座内容とも一番親和性は高いのではないかと思います。実際に、作業療法士の講座参加率は高いです。
また、講座の後には参加者同士の交流会も実施し、コミュニティづくりを後押しすることにも力を入れています。なかには、メーリングリストを作成して、ツールの使い方がわからないときに質問し合うケースもあるようです。多業種の支援者がつながることで、新たなサポーターの輪が広がっていき、難病や障害を抱えた人たちのコミュニケーションがいついかなる場所でもスムーズになる社会が早く実現することを期待しています。
現在進行形で、デバイスやICT技術が進化していますが、高齢者はますます増えていくはずです。それに比例して病気や障害を抱える人の増加が大いに予想されます。これは、日本のみならず世界的な潮流になっていくはずです。その時に、当社がICTを活用したコミュニケーションの先端を示すことで、NECが取り組む「社会価値創造」につながるのではないかと考えています。
講座をきっかけに神経筋難病患者を支援する人たちのネットワークが広がりつつある