本日もまさに、イベントの準備が進行中ですが、本当に多彩なプロジェクト・イベントを発信されていますね。
森下:今日(2018年12月4日取材時)行われているのは、京都市立芸術大学のみなさんやアーティストの方々と行ってきたワークショップの成果を公開する「状況のアーキテクチャー」パフォーマンスの準備なんですよ。
Good Job! センターでは、「アート×デザインによる新しい仕事の創出」「異分野をつなぐプラットフォームの構築」を目指すための、さまざまな取り組みを行っています。
Good Job! センターのウェブサイトには、さまざまなイベント情報が並ぶ
Good Job! センターの施設そのものが、エイブルアートと、それを仕事にしたい企業・団体、そして世間の人々をつなぐ、バリアフリーな施設になっているのですね。
森下:たんぽぽの家が主宰し、各地でスタートした障害福祉×現代技術の実験的な取り組みに、「IoTとFabと福祉」(助成:日本財団)があります。
IoTやFabを障害福祉の現場に生かす取り組みを
発信するサイト「IoTとFabと福祉」
森下:Fab(ファブ)は、「Fabrication=ものづくり」と「Fabulous=楽しい、愉快な」の2つの意味が含まれた造語で、あらゆるものづくり行為の総称です。例えば、レーザーカッターや3Dプリンタなど、コンピュータと接続された工作機械によって素材を成形する技術「デジタルファブリケーション」が近年注目されています。
データ化された設計図や素材の扱い方、レシピをインターネット上に公開することで、世界中の作り手と、ものづくりのプロセス、改良データを介したコミュニケーションが生まれています。
南館の工房には最新の3Dプリンターが並び、
作り手とのネットワークを活かした作品作りも行われている
アート・ものづくりを核にした情報バリアフリーが生まれているのですね。
森下:福祉の世界において、障害のある人は約788万人いるとされ、そのうち従業員5人以上の事業所に就いているのは63万人ほどに過ぎません。さまざまな理由から働けない人が約9割を占める現状から、個々の能力や表現を仕事に結びつけ、選択肢を広げることが急務となっています。
そこで、私たちが注目したのは、IoTに代表される新しい技術でした。革新的なツール、それを使いこなす人材、それらがもたらす「人とモノ」「モノとモノ」の関係性こそ、これからの多様な働き方ヒントとなると思いますし、私たちが掲げる「所得の再分配から可能性の再分配へ」という理念を実現するための大きな力になると考えています。
本日はありがとうございました。