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高専生が開発した点字翻訳システムで視覚障害者の”読む”にまつわる課題を解決

1 墨字のプリントを点字に翻訳する画期的なソフトウエア「:::doc」

最初に、「:::doc」の機能について詳しく教えていただけますか?

板橋竜太さん(以下、板橋):「:::doc」はパソコン専用のソフトになります。まず、パソコンにインストールした「:::doc」を立ち上げます。そして、一般的に市販されているスキャナー機能を持つ複合機と接続して、印刷されたプリントをスキャンします。すると、そのまま点字に翻訳され、点字プリンタから点字の文書が出力されるという仕組みです。また、その逆も可能で、点字を文書に翻訳してスキャンする機能もあります。さらに、点字の文書をスキャンして、「:::doc」をインストールしている別のパソコンに点字データのまま送信することができます。

こうした機能によって、視覚障害者のどのような課題が解決されるのでしょうか?

板橋:これまで、視覚障害者が印刷された文書を理解するためには、点字に翻訳してくれる業者や行政に依頼したり、誰かに音読してもらったりすることが必要でした。そのため、非常に手間や時間、お金が掛かってしまいます。それならば、点字翻訳のソフトウエアを製作して、パソコンと複合機、点字プリンタさえあれば、文書を理解できるような仕組みがつくれないだろうかと考え、誕生したのが「:::doc」です。

また、スマートスピーカーとも接続できますので、音声での指示でも起動させることができます。全盲の方でも操作は問題なく、数分も掛からずに点字に翻訳された文書を手にすることができるので、手間や時間、お金の負担を大幅に軽減できます。

「:::doc」をインストールしたパソコンと複合機、点字プリンタの3台をつなげて使用する
「:::doc」をインストールしたパソコンと複合機、点字プリンタの3台をつなげて使用する

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