アプリから派生した「家族サイト」はどのようなものでしょうか?
遠山:高齢家族の健康を見守るシステムが必要だと考えて、「家族サイト」を開発しました。家族の健康を見守るコンセプトの商品は世に多く出ていますが、多くが監視のような製品になっているのを見て、これは違うなと感じていました。私の体験からもコミュニケーションの先に健康や見守りがある事が望ましいと思い、コミュニケーションと健康を軸にした家族間のSNSのようなコンセプトを持っています。ただ、中高年の生活習慣病の管理には、家族の後押しやサポートが重要になります。そのため、家族サイトでは、「健康機能」として、家族の脳にいいアプリのリアルタイムの活動情報の開示やその推移による体調変化を見れる事や、服薬の飲み忘れを見る機能もあります。「コミュニケーション機能」として、家族が写真を自由にアップ・共有でき、そこにメッセージやスタンプなどでやり取りできるようにしました。コミュニケーションが家族の健康のきっかけになると大変ご好評いただいております。ご家族が写真をアップすると100%の確率でアプリを使って頂ける実績がデータとして取れています。
今後は、『脳にいいアプリ』『家族サイト』と、医療用サイトや自治体サイトとをつないで、情報を共有することで地域を中心とした包括的なケアに貢献したいと考えています。
予防医療への貢献によって、ひいては国の財政負担軽減にもつながりそうですね。
遠山:認知症患者数は、2025年に730万人に達すると予想されています。これから国や自治体にとって、治療費、医療費、介護費というのは、ますます大きな負担になってくると思います。先を見据えると、今ここでしっかり手を打って、削減しないと大変なことになると思います。予防につながる取り組みは、大変重要だと思いますので、ベスプラとしてできることをしたいと思っています。
認知症予防には家族の連携も欠かせない要素だと話す遠山氏