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双方向のオンライン授業に挑戦した、福岡市立今津特別支援学校の取り組み

4  障害児がICTの恩恵を享受するためにも教員の育成が必要

特別支援学校には、通学に困難を抱えている生徒も多いと思います。そうした生徒にとっても、ICT授業の普及は希望になりますよね。

福島:特別支援学校には、頻繁に体調不良になる生徒や、通学が困難なため訪問教育を受けている生徒も少なくありません。学校に行きたくても行けない子どもたちが、自宅や病院などから学校の授業に参加できる環境を整備することも、合理的配慮の一つであると考えています。そのためには、ICTやインターネットの活用が不可欠だと考えています。

今回、コロナ禍でオンライン授業が注目されましたが、オンライン授業が体調不良や入院によって、学校に行きたくても行けない子どもたちの学習を保障する方法であることに、今後も変わりはありません。学校の一員としてのアイデンティティを持ってもらうためにも、一層ニーズが高まるのではないかと期待しています。

私がはじめてICT機器を教育に取り入れてから20年以上が経ちますが、ICTは格段に進歩しました。価格も下がり、普及の一途を辿っています。今では、ICTを使わない日常生活や社会生活は考えられないのではないでしょうか。しかし、かたや障害児はICTの恩恵を十分に享受できていないのが現状だと思います。それは、障害による生活上または学習上の困難さを軽減・解消するためのICTの使い方が浸透していないことに原因があると思います。

ICTを浸透させるためには、やはり特別支援教育や福祉の担い手を養成する学校において、障害児のためのICT活用を教えることが重要だと思います。普遍的な内容を教えるだけではなく、ICT活用をはじめ、そのときの社会情勢に適した内容を教えることができる教員を大学などの養成機関で雇用し、現状を変えていくことが望ましいと考えています。

 

取材協力:
福岡市立今津特別支援学校
取材日:
2020年10月

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