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これまで翻訳機の「ポケトーク」を開発してこられました。今回、加齢性難聴や聴覚障がいを抱える方向けに、新たに「ポケトークmimi」を開発された背景を教えてください。
川竹:実はこれまでもポケトークを翻訳機としてではなく、日本語で話して日本語の文章に出力する、いわゆる筆談目的で使用されている方がいらっしゃいました。「耳がよく聞こえないんですけど、ポケトークがあると助かるんです」という直筆の感動的なお手紙をいただくこともありました。すごく便利だったということで、ご家族同士のコミュニケーションが増えたそうです。それならば、聴覚に困難を抱える人が使いやすいポケトークを作ろうということで、「ポケトークmimi」の開発をスタートしました。
また、口の動きで言葉を読み取る難聴者にとって、新型コロナウイルス感染防止のためのマスク着用は意思疎通の妨げになります。その点、「ポケトークmimi」なら、マスク越しでもスムーズなコミュニケーションが可能になります。
開発にあたって、どのような部分にこだわられましたか?
川竹:やはり、日常的に使いやすいデバイスであるかどうかという部分ですね。新しいテクノロジーを搭載した機器というのは、なかなか日常に溶け込まず、利用してもらえないことが多いんです。コミュニケーションの必需品として活用してもらうためにも、ポケットからパッと取り出して、サッと使えるように、機能を最低限に抑えることにこだわりました。
ボタンを押しながら話す、あるいはハンズフリーモードで使えば電源を入れて話すだけで、瞬時に文字に変換される。かなりの小声でもしっかり音声をキャッチ