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VRを活用したソーシャルスキルトレーニング「emou」で発達障害者の困りごとを減らす

1 医療機関からの意見をもとに「emou」を開発

まず、「emou」を開発された背景を伺えますでしょうか。

青木雄志氏(以下、青木):私はもともとWEBサイトや動画を制作する会社にいまして、そこからジョリーグッドに転職し、企業から依頼を受けてVR動画を制作する仕事に就きました。最初は営業からスタートして、半年ほどして事業開発を任されるようになったのですが、ほぼ同時期に医療福祉系の関係者から、VRは発達障害を持つ人向けのトレーニングに使えるのではないかという話をいただいたんです。

というのも、発達障害、特にASD(自閉症スペクトラム障害)の人は、場面の想像が難しいということでした。たとえば、子どもの頃に、お店屋さんごっこなど、何かになったつもりになって遊ぶ“ごっこ遊び”をすると思うのですが、これは想像が必要な遊びですよね。しかし、ASDの子どもはその想像が得意ではありません。また、先々に起きるであろうことを想像するのが得意ではないので、初めて直面することに失敗しやすいということを知りました。

そこで、VRであれば想像の部分をよりリアルに近い映像で補うことができ、さらに未来の推察についても、その場面が訪れたときに、適した行動につながるような訓練ができるのではないかというお話でした。これが「emou」開発の直接的なきっかけです。

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