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発達障害の子どもの可能性を伸ばす。オンラインの個別学習塾「スクラムICT」

3 コロナ禍をきっかけに発達障害児に特化したオンライン学習を開始

2021年6月には、オンラインで発達障害児の学習支援を行う「スクラムICT」を開始されました。

中村:コロナ禍でも学びを止めないためには、ICTを活用した学習支援の仕組みが必要だと感じました。講師とオンラインでつながりながら、プリント学習を進めていくかたちにしています。スクラムICTは自立学習を重視しています。個別指導ではありますが、手取り足取り教えると、講師が横にいないと問題を解けなくなってしまうからです。プリントの1枚目を読むと、ある程度解き方がわかるようになっているので、それを読んでもわからないようであれば、オンラインでつながっている講師に質問できます。講師はオンラインの画面上に仮想のホワイトボードを映し出して、それを活用しながら解き方を解説します。

生徒さんたちの反応はいかがでしょうか?

中村:当初、自宅にいながら学習するのは難しいのではないかと考えていました。というのも発達障害の子どもは、環境によって集中力が大きく変わるからです。これまでリアルな学習塾で学んでいたことを、家で学ぶことができるだろうかと懸念していました。ところが、実際にはほとんどの子が集中して取り組んでいます。やはり5分で完結するプリント学習ということで、ゲーム感覚で取り組めることは大きいかもしれません。

オンライン学習で意識していることはありますか?

中村:オンライン学習だから特別に意識しているというわけではありませんが、「承認するポイント」を大事にしています。たとえば、すごく早く問題が解けたとしても、早かったことを褒めないように気をつけています。それよりも「ここまで出来たから次はここまで挑戦してみよう」と承認するようにしています。発達障害児は承認の言葉を素直に受け止めがちなので、早く解けたことだけを褒めてしまうと早く解くことだけがすべてになってしまう可能性が高いです。

入江さんは、実際にオンライン学習の講師をされているそうですが、大切にしていることはありますか?

入江一貴さん:校舎で対面して教えるのとは違う難しさがあります。その中で大切にしているのは、勉強が楽しいと感じてもらうことです。家庭での学びがストレスにならないように注意しています。小さなことでも達成したら、「よく頑張ったね」と声掛けをするようにしています。やはり学校生活ではできないことが多いので、勉強に前向きになれない子も少なくありません。なので、その子が解けるレベルを見極めて、プリントを渡すように気をつけていますね。

理学療法士を学んでいた入江さん。発達障害児の支援に関心を持ち同立有志会に参加
理学療法士を学んでいた入江さん。発達障害児の支援に関心を持ち同立有志会に参加

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