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車いす利用者の知りたい情報を集約したサイト「らくゆく」が障がい者の生活を変える

2 一人の社員の発案がきっかけで情報サイトの制作を決断

「らくゆく」を立ち上げようと思われたきっかけは何だったのでしょうか。

松下英利子さん(以下、松下):きっかけは、以前当社に勤めていた車いすを利用する社員の発案でした。彼は個人的に「どのようなサイトがあると便利なのか」リサーチしていたんです。調べていく中で、ネットにはたくさんの情報が溢れているものの、車いす利用者特有の「知りたいこと」を見つけ出すことが困難だと思ったそうです。

たとえば、外出中に周辺のトイレ情報を知りたいと思ったときに、スマホで現在地を設定して「トイレ バリアフリー」と検索すると、トイレの所在地は出てきます。ところが、車いす利用者にとって使い勝手が良いのかまでは、定かではない情報がほとんどです。そこで、車いす利用者にとって有益な情報をバラバラな情報元から探すのではなく、ひとつのサイトに集約させるべきなのではと考えたそうです。その方はお亡くなりになりましたが、私たちが意思を受け継ぐべく3年ほど前から構想を練り、2021年にローンチすることができました。

普段は凸版印刷で利用する事業プロセス自動化システム(RPA)の開発やITサポートなどを担当している松下さん
普段は凸版印刷で利用する事業プロセス自動化システム(RPA)の開発やITサポートなどを担当している松下さん

サイトでは、どのような情報発信にこだわっていらっしゃいますか?

松下:客観的な情報をしっかり届けることです。これは主観的な意見かもしれませんが、車いす利用者向けの情報というのは、ほとんどの場合「ここは段差があるので車いすは難しいと思います」のように、「こうなっているからできない」というようなリスク回避の情報が比較的多いように思います。らくゆくはそうではなく、「このような段差があります」ということを分かりやすく的確に伝えて、「行けるか行けないかはご本人が判断してください」というかたちの情報を発信したいと思っています。まずは情報を自分なりに解釈して、どうするか考えてもらいたいのです。

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