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発達障害児の拠りどころに。「e-sports」を起点にした福祉のかたち

4 子どもの好奇心を抑えないことが重要。e-sportsの発展は次世代に委ねるべき

e-sportsは、まだ社会で認知度は高くありません。社会の認知や理解を促進するために、何が必要だと思われますか?

吉沢:ゲームはどうしても娯楽のイメージが強いですし、実際にゲームは娯楽だと思います。フィジカルスポーツの多くも娯楽として行っている人は多いですよね。でも、野球やサッカーなどのスポーツが、子どもたちの将来の夢として違和感なく受け入れられているのは、職業として認知されているからだと思います。最近は、ゲームもe-sportsという競技に分類され、プロe-sports選手も活躍しています。この風潮が広がることで、社会の認知や理解を促進できるようになると思います。行政や企業がe-sportsの大会に協賛するケースも増えていますので、あと数年もすれば認知度は飛躍的に高まると考えています。

他にも大事だと思うのは、大人たちが子どもたちへ「e-sportsを通じてこうなってほしい」という理想を描きすぎないことです。これから5G、6Gと情報の通信速度が速くなって、大容量のデータ通信ができるようになるでしょう。その結果、e-sportsはもっと高度なものになるかもしれませんし、e-sportsの普及によって思いもよらない新しいビジネスや産業が生まれるかもしれません。しかし、それがどのようなものか、答えを持っている大人は少ないですよね。そうであるならばe-sportsの発展は、これからの時代を生きる子どもたちに委ねるべきだと思います。e-sportsはまだまだ発展途上の分野です。大人がするべきことは子どもたちの好奇心を抑えるのではなく、伸び伸びとチャレンジできる環境を整えていくことだと考えています。

 

取材協力:
一般社団法人日本福祉協議機構
取材日:
2021年11月

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