今後の展望や現在感じている課題について教えてください。
曽川:AIの経済的な効果については十数兆円が見込まれていますし、これからさらに伸びる分野だと思います。それに障がいのある人々が取り残されないための環境づくりは非常に大切ですから、スピード感を持って進めていかなくてはなりません。そして、障がいのある人々がアノテーションのような作業をできるともっと知っていただきたい。しかし、セキュリティや機密保持などの関係もあり、なかなか表に出せないという問題があります。
また、障がいのある人に作業していただくことになるので、マネジメントも欠かせません。休憩や納期の指示、教育も必要です。タグ付けの線をきちんと画像の大きさに合わせて囲まないとAIの精度が落ちてしまいます。そのあたりをシステム的に改善する必要もあるのではないか、というのが私の考えです。
本プロジェクトでは、さまざまな企業と連携してシステムをつくっているので、各社の知恵を拝借しながら、誰でも使えるユニバーザルデザインのようなシステムを目指したい。そして、いち早くAI事業に参入していきたいですね。