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障害による情報格差の解消へ。「ICTアクセシビリティアドバイザー」認定試験がスタート

2 認定試験で地域社会に広げたい“サポートの場”

デジタル機器を使える人と使えない人の間で、社会生活にも大きな差が生まれてしまいます。その差を埋めるためにアドバイザーが必要だと考えられたわけですね。認定試験は、どのような事を問われているのでしょうか?

田代:2022年度はベーシック試験のみ実施しましたが、2023年度からはスタンダードとプロフェッショナルのレベルに分けて試験を実施しようと考えています。ベーシックは、「障害を理解する」、「テクノロジーを理解する」、「OS標準のアクセシビリティを理解する」という基礎的な知識について問います。スタンダードレベルはベーシックの内容にプラスして、見ることが困難である場合や読み書きが困難である場合など「困難別の支援技術」と「情報モラル」、「衛生的環境」まで網羅しています。プロフェッショナルになると実践的な内容になっていて、「場面別の支援技術」を加えるかたちで、学習や労働、日常生活など場面別での適切な対応方法を問います。

ベーシックレベルの知識を得ることで、家族など身近な人を手助けできるようになると思います。さらにスタンダードレベルであれば、セラピストや医療職、支援学校の教諭として活躍する場面でもその知識を活かせるでしょう。また、プロフェッショナルレベルならば、大学で研究などに関わる人や、人材を育成する側の人を育てることにつながると考えています。

例えば、ベーシックレベルの知識があれば、家電量販店や携帯電話のショップで、「商品のココを見ればいいですよ」とか「この設定をすれば使えます」という話もできるようになり、身近な場所で誰でも気軽にアクセシビリティ機能について相談ができるようになります。

アドバイザーが増えて、活躍できる社会になると良いですね。

田代:はい。裾野を広げるという意味では、ベーシックレベルの知識を多くの人に学んでもらえたら良いですね。スマートフォンのアクセシビリティ機能がどんなふうに役立つのか知っているだけでも全然違うので、そうした基礎知識だけでもより多くの人に理解してほしいです。

今までも各障害者団体の中で、こうしたサポーターやボランティアの育成研修会が実施されてきました。しかし、我々は障害種別を超えて横断的にやりたいと考えています。ボランティア育成ではなく、基礎的な知識でも良いからもっと一般的に広く様々な立場の人に知ってもらえるようにしていきたいです。

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