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情報利活用基盤研究室

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情報サービスによるネットワーク制御技術 (SCN: Service-Controlled Networking)

SCNは、情報サービスが連携して動くアプリケーションを効率よく実行させるために、アプリケーション開発者が定義したサービス連携に連動して動的にネットワーク資源を制御する技術です。例えば、災害時など想定していない事態が発生した際、混み合ったネットワークを迂回してサービス間の通信パスを確保したり、代替のサービスを発見したりします。SCNは、OpenFlowや仮想化ノード基盤に代表されるプログラマブルネットワーク(Software Defined Network) と、サービスコンピューティングやクラウドなどの情報サービス基盤の中間に位置するミドルウェアとして実現されます。プログラマブルネットワークは、ソフトウェアからネットワークを操作するためのAPIコマンドを提供しています。SCNはこれらのAPIを利用して、ネットワークの構成をアプリケーションの実行に適した形に自動的に調整します。

SCNは、以下のコンポーネントによって構成されています。

  1. アプリケーション要求を宣言的に記述するための宣言的サービスネットワーク記述言語 (DSN: Declarative Service Networking)
  2. プログラマブルネットワークを制御するためのコマンドを実行するためのネットワーク制御プロトコルスタック(NCPS: Network Control Protocol Stack)
  3. DSN記述を解釈し、NCPSのコマンド列に変換する翻訳機構 (DSN/NCPS Translator)

 

我々は、これらの技術によってアプリケーション開発者が容易にサービス連携を構成できる技術の開発を目指しています。例えば、自然現象や社会現象に関する様々なセンシングデータを収集し解析する仮想センサーを作成することができます。仮想センサーを作成するには、「"気象情報を取得する気象情報Webサービス"と"温度や湿度をモニタリングしている物理センサー"から情報を取得し、それらが特定の条件を満たした際に“通知サービス”によってユーザにメッセージを送りたい。“ただし各サービス間は60秒以内に1,000メッセージ分のデータを転送できること”」といったサービス連携への要求を記述することで、それらの要求を満たすために必要なサービスの論理・物理ネットワーク双方を自動構成します。