国立研究開発法人情報通信研究機構宇宙天気予報業務要綱

(目的)

第1条 この要綱は、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下「機構」と言う)が、国立研究開発法人情報通信研究機構宇宙天気予報業務規程で定められる宇宙天気予報業務のうち、宇宙天気情報サービスを定義し、その利用に関し必要な事項を公表し、サービスを受けようとするものに交付し、当該要綱に定める事項を周知することを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 宇宙天気 電波の伝わり方に影響を及ぼす電離圏及び社会に影響を与えうる宇宙環境の状態をいう。

二 宇宙天気現況 宇宙天気の現在の状況をいう。

三 宇宙天気予報 宇宙天気の未来の状況予報をいう。

四 宇宙天気情報 宇宙天気に関連する自然現象の現在及び未来(一日及び一週間先)の情報をいう。

五 極端宇宙天気情報 社会に大きな影響を与えうる宇宙天気情報をいう。

六 宇宙天気情報サービス 宇宙天気情報及び極端宇宙天気情報を広く一般に提供するサービスを言う。

七 宇宙天気予報業務 宇宙天気情報サービスを行うために必要な観測・情報収集・分析及び周知活動をいう。

(実施組織)

第3条 宇宙天気予報業務は、電磁波研究所電磁波伝搬研究センター宇宙環境研究室宇宙天気予報グループが実施する。

(委員会)

第4条 宇宙天気予報業務を実施するために、宇宙天気予報業務委員会(以下「委員会」という。)を機構の電磁波研究所に設置する。

(機構の責務)

第5条 機構は、宇宙天気予報業務を実施するに当たり、別に定める場合を除き、次の各号に掲げる責務を負う。

一 宇宙天気予報業務を停止しないこと

二 宇宙天気情報サービスで提供される情報の公開の保証

三 宇宙天気予報業務を実施するための設備の確保

四 宇宙天気予報業務を実施するための要員の確保

五 宇宙天気予報業務を実施するために必要なセキュリティの確保

(機密保持)

第6条 委員会は、漏洩することにより社会的な影響が大きいおそれのある情報を機密扱いとする。機密扱いとする情報については、当該情報を含む書類及び記録媒体の管理責任者を定め、安全に管理保管するものとする。管理責任者等については、国立研究開発法人情報通信研究機構情報セキュリティ管理規程(17規程第10号)に準拠するものとする。

(公開情報等の保存)

第7条 機構は、宇宙天気予報業務に係る公開情報及び監査記録を10年間保存するものとする。

(宇宙天気予報業務を行う宇宙天気現象の種類)

第8条 機構が宇宙天気予報業務を行う宇宙天気現象の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。

一 太陽活動

二 地磁気活動(予報のみ)

三 電離圏・熱圏の状態

四 宇宙放射線の状態

(宇宙天気情報の内容)

第9条 宇宙天気情報の内容は、第8条各号の宇宙天気現象及び宇宙天気予報とする。

(極端宇宙天気情報の内容)

第10条 極端宇宙天気情報の内容は、次の各号に掲げるとおりとする。

一 太陽フレア・高エネルギー粒子・コロナ質量放出・磁気嵐及びその他の関連現象

二 前号の現象の発生時刻及び地球に影響を及ぼすと予想される時刻

三 第1号の現象による社会への影響

四 第1号の現象が終息した時刻

(宇宙天気情報サービスの提供)

第11条 機構は、次の各号に定めるところにより、宇宙天気情報サービスを行う。

一 宇宙天気情報

イ 電子メールを用いて一斉に情報を配信。

ロ 実施組織が定めるWebサイト上で情報を提供。

ハ その他、特定の利用者については別途定められた方法で情報を提供。

二 極端宇宙天気情報

イ 太陽活動等があらかじめ委員会で定められた閾値を越え、社会への影響が大きいと判断された場合、機構のWebサイト上で情報を提供。

ロ その他、特定の利用者については別途定められた方法で情報を提供。

2 前項第1号各号の配信、提供は、次の各号に掲げる時刻に行われるものとする。

一 休日・祝日を含む毎日定時2回。ただし、状況により30分前後変動する可能性がある。

二 必要に応じて上記に加え他の時刻。

3 機構は、宇宙天気情報サービスを無償で提供する。

(宇宙天気情報サービスの停止)

第12条 宇宙天気情報サービスのうち、次の各号の一に該当する場合にはサービスを停止するものとし、当該停止の事実及びその事由を委員会に報告・公開する。

一 Webサイト上で公表したデータに改ざん等が発生した場合

二 回線障害等の理由によりデータを公表することが困難な場合

三 委員会より、宇宙天気情報サービスの停止について要請があった場合

(損害の賠償)

第13条 機構は、宇宙天気情報サービスに関しサービス利用者が受けた損失に対して、故意若しくは重大な過失による場合又は法令に別段の定めがある場合を除き、賠償責任を一切負わないものとする。

(雑則)

第14条 この要綱に定めるもののほか、宇宙天気予報業務に関し必要な事項は、別に定める。