「ウェブ・アクセシビリティ」という概念は、まだまだ皆さんに認知されていないと思います。実際にわれわれ担当者もアクセシビリティを確保したウェブサイトを考えるにあたっては、まず高齢者や障害者がどのようなホームページを望んでいて、そのためにどのような改善が必要なのかを知ることが必要でした。
今回の「バリアフリー指針」の作成のサポートをしてくださった方が、実際に障害をもっていてJIS規格の策定にもかかわった方だったので、検討段階でさまざまな話を聞くことができました。
また、作成過程で情報収集する中で、ホームページを閲覧している方の中には、音声読み上げソフトを使用している方や、文字や画像を大きくして見ている方もいれば、身体が不自由でスティックをあごで使ってキーボード操作をされている方もいらっしゃって、そうした方々に対する配慮がとても重要だという認識を改めて持つに至りました。
例えば、視覚障害者が新聞や冊子などを読みたいときは、これまでは誰かに代読してもらわないといけなかったり、代読を依頼しても要約された内容だけを聞くことしかできなかったりという状況でした。ところが、ホームページにそうした内容が公開されていれば、読み上げソフトを使って自分で好きな内容を家にいながら知ることができます。
外出に大きな困難を伴う障害のある方などにとって、「家にいながら」というのは非常に大事なことでして、これが実現できるようになったのはウェブの大きな利点です。このように、障害のある方などにとって、ウェブサイトは健常者以上に生活に欠かせない情報取得のためのツールなのです。
また、ホームページの重要性が高まるにつれ、障害のある方などがいかに情報取得しやすいホームページかどうかというのが大事になってきます。
アクセシビリティの確保を考えるときには、まずさまざまな方たちがホームページを閲覧していることを知ることで、はじめて出発点に立てます。今後作成者である職員すべてに周知を図っていくことが必要だと考えています。
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原本作成日: 2006年12月22日; 更新日: 2019年8月16日;