主な障害の種類や、障害別のコミュニケーション方法、パソコンやウェブの利用方法について解説しています。
視覚障害とは、視力や視野、色覚、光覚(光を認識する機能)などに障害がある状態をいう。視覚障害には主に、全盲、弱視、視野狭窄(しやきょうさく) 、色覚障害、光覚障害などがある。
音声読み上げソフトや画面拡大ソフトなどを用いて、パソコンやウェブを利用している。
法的には、身体障害者福祉法によって定義されている。
身体障害者福祉法
聴覚障害とは、聴力や平衡機能が不十分であったり、あるいはまったくない状態のことである。主に手話や筆談などを用いてコミュニケーションを行っている。
法的には、身体障害者福祉法によって定義されている。
身体障害者福祉法
肢体不自由とは、腕や手、足、または手足の指の機能に障害がある状態のことである。障害の部位や種類、程度には個人差が大きいため、パソコンやウェブを利用する際には、それぞれの障害に応じた支援技術を使用している。代表的な支援技術にはトラックボールやスクリーンキーボードなどがある。
法的には、身体障害者福祉法によって定義されている。
身体障害者福祉法
知的障害とは、記憶や計算、読み書き、学習などの知的行動に障害がある状態をいう。
全盲とは、視覚障害の一種で、日常生活において視覚をまったく利用できない状態をいう。全盲の視覚障害者は、パソコン画面の内容や利用者の操作を合成音声で読み上げる、「音声読み上げソフト」と呼ばれるソフトウェアを用いてパソコンやウェブを利用している。またマウスは使用できないため、パソコン操作はすべてキーボードで行っている。
弱視とは、眼鏡やコンタクトレンズを用いた場合でも十分な視力を得られない状態をいう。弱視の人の見え方や見えやすい条件にはかなりの個人差があるため、パソコンやウェブを利用する際には、それぞれの見え方に応じて、パソコンの設定で文字の大きさや配色を変更したり、画面拡大ソフトを利用するなどの工夫をしている。
色覚障害とは、ある色とある色の組み合わせが判別できない、または判別しにくいことである。代表的な例としては、赤と緑に関係する色で混同が起きる色覚障害がある。
盲ろうとは、視覚と聴覚の両方に障害のある状態をいう。視覚及び聴覚の障害の程度に応じて、視覚も聴覚も全く利用できない全盲ろう、全盲難聴、弱視ろう、弱視難聴の4種類に大別される。盲ろう者のコミュニケーション方法は個人によって様々であり、手話を手で触って理解する「触手話」や、両手を点字タイプライターのキーに見立てて打つ「指点字」、手のひらに直接文字を書く方法などがある。
高齢者とは、成人して一定年齢以上の人をいう。世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人を「高齢者」としている。
高齢者は、加齢によって視力が低下するためパソコン画面の文字が読みにくくなったり、新しい言葉やカタカナ語の理解が困難になったり、パソコンやウェブサイトの操作方法を理解・記憶することが困難になる場合がある。
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律で、精神障害者とは統合失調症、精神作用物質による急性中毒又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者と定義されている。
学習障害とは、旧文部省の定義で基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものと定義されている。
言語障害とは、言葉を使ったコミュニケーションに障害がある状態をいう。
中途障害とは、生まれつき障害があったのではなく、人生の途中で事故や病気により、突然障害を持つことである。人生の中で、障害がない状態と障害のある状態の両方を経験する。
認知障害とは、記憶力、注意力、集中力、計画能力、問題解決能力などに障害があることをいう。
世界保健機関(WHO)は、両目に矯正眼鏡をかけて視力が0.05以上0.3未満の状態をロービジョンと定義している。また、視力や視野に障害がある場合や、弱視と同義に使う場合もある。
(1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ後遺症を残す恐れが少なくない疾病、(2)経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病。(昭和47年の難病対策要綱による)
参考
・http://www.nanbyou.or.jp/
・http://www.nanbyou.or.jp/entry/1360
難病のうち、厚生労働省が特に定めた疾患。原因不明で治療方法が未確立であり、かつ後遺症を残すおそれが少なくない疾病として調査研究を進めている疾患のうち、診断基準が一応確立し、かつ難治度、重症度が高く患者数が比較的少ないため、公費負担の方法をとらないと原因の究明、治療方法の開発等に困難をきたすおそれのある疾患が指定されている。
稀少で、原因不明、治療方法が未確立であり、かつ、生活面への長期にわたる支障を来たす疾病のうち、予後が悪いなど医療依存の程度が高く、療養上の配慮が必要な緊急度の高い疾病となっているもの。これらの難病の対象疾患の中で、脳神経系を障害する疾病を、「神経難病」と呼んでいる。
参考
・http://www.byouin.metro.tokyo.jp/tmnh/important/special/main.html
・https://www.neurology-jp.org/public/disease/index.html
学習障害の一種で、知的能力及び一般的な理解能力などに特に異常がないにもかかわらず、文字の読み書き学習に著しい困難を抱える障害。
人間の生活の機能や障害について、健康状態、心身機能、身体構造、活動、参加、背景因子(環境因子・個人因子)の要素から考える関係概念のこと。2001年のWHO総会において採択され、従前のICIDH(国際障害分類)の否定的・マイナス的な表現から、中立的・肯定的な表現に変更された。
睡眠に問題がある状態。不眠、過眠など様々な症状がある。日常生活に支障が出ることがあり、長期間続くと生活習慣病などにもつながりやすくなる。
参考
・http://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000316.html
体の内部に障害があること。心臓機能障害・腎臓機能障害・呼吸器機能障害・ぼうこうまたは直腸の機能障害・小腸機能障害・ヒト免疫不全ウィルスによる免疫機能障害・肝臓機能障害に分類される。
外見からは分からないことが多いので、周囲の理解と配慮が必要である。
参考
・https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/tokyoheart/shougai/naibu.html
疾病及び関連保健問題の国際統計分類:ICD(International Statistical Classfication of Diseases and Relate Health Problems)は、世界保健機関(WHO)が作成した疾患を診断する操作的診断基準。1990年に発表された。
世界保健機関(WHO)より、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が公表されている。
参考
・https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000211217.html
精神障害の診断と統計マニュアル:DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)は、疾患を診断する操作的診断基準である。アメリカ精神医学会から2000年にDSM-Wの改訂版のDMS-W-TRが、2013年にはDSM-5が出版された。
参考
・https://snabi.jp/article/127
脳の損傷により、視力的には見えていても、目にしている空間の半分に気が付きにくくなる障害。たとえば左側にある食事を残すことや、左側にあるものにぶつかるなど。
高次脳機能障害のひとつで、実行機能障害ともいわれる。目標の設定、計画の立案、計画の実行、効果的な行動遂行ができなくなる状態で、日常の場面としてはたとえば料理や金銭管理などが挙げられる。
認知症の初期にみられる症状。日によって同じことができたりできなかったりなど、症状にばらつきがある。
生まれつき脳の発達に障害があることを発達障害と呼ぶ。発達障害を引き起こす要因やメカニズムは、まだはっきりとは解明されていない。
幼児期から症状が出ることが多く、その症状も人によって様々。特性により自閉症やアスペルガー症候群、注意欠陥多動性障害など、いくつかのタイプに分類される。個人差が大きく、必要とされる支援も人それぞれ。
大学生以上の年齢の発達障害のことを指す。子供の時には様々な理由から問題化せずに見逃されていたが、
社会に出ることで発達障害の特性が顕在化し、環境に適応できないといった問題が起こる。
日本語で「能力障害」を意味します。また社会生活に参加する機会が制限され失われている状態の意味も含みます。
以下は、このページの奥付です。
原本作成日: 2009年3月16日; 更新日: 2023年3月14日;