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啓発活動を続け社内の共通認識に。企業理念とリンクさせた「サイボウズ」のアクセシビリティ

1 会社の理念に紐づけてアクセシビリティを必要な取り組みと捉える

サイボウズのアクセシビリティに対する理念について教えてください。

小林大輔さん(以下、小林):アクセシビリティの理念の前提となる、当社のパーパス(存在意義)からご説明します。当社は「チームワークあふれる社会を創る」をパーパスに掲げています。そのパーパスに基づき、チームの生産性と働く人の幸福度を高めるために社内で情報共有する「kintone」などのグループウェアを開発してきました。これらのツールを活用することで、すべての人が同じ情報を得られるようになり、「チームワークあふれる社会」が実現すると考えています。

当社にとってアクセシビリティとは、単に製品やサービスの情報にアクセスしやすくするだけでなく、ユーザーが所属しているチームに参加し、チームに貢献できる能力を高めることを指します。ユーザーが「チームに参加したい」「自分の力をチームのために発揮したい」という願いを尊重することが、我々のアクセシビリティの理念です。

アクセシビリティを専門に啓発や製品改善を担当する小林さん

アクセシビリティを専門に啓発や製品改善を担当する小林さん

お二人がアクセシビリティに関わるきっかけは何だったのでしょうか?

小林:私はロービジョンの社員のユーザビリティテストを見たことがきっかけです。当時「kintone」のプログラマーをしていたのですが、アクセシビリティという分野に興味を持ちました。サイボウズはボトムアップ文化の会社なので、アクセシビリティを専門にしたいと伝えたところ、アクセシビリティの主担当にアサインされました。最初は1人だったのですが、杉崎が入り、次第にアクセシビリティチームとして活動するようになっていきました。

杉崎信清さん(以下、杉崎):私は生まれた時から全盲で、WebサイトやWebアプリの使いにくさを日頃から経験していたので、学生の頃からウェブアクセシビリティの分野に興味がありました。サイボウズが「チームワークあふれる社会を創る」という理念に紐づけて、アクセシビリティを必要な取り組みだと語っていることに感銘を受けて入社しました。現在は、「kintone」の改善、開発などに関わりながらアクセシビリティを向上する活動を行っています。

IT・情報系の大学を卒業しエンジニアとしてアクセシビリティに関わる杉崎さん

IT・情報系の大学を卒業しエンジニアとしてアクセシビリティに関わる杉崎さん

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