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JIS規格の目的であるウェブアクセシビリティの品質確保のためには具体的に何をすればよいのでしょうか。
太田:JIS規格では、アクセシビリティのレベルを3段階に分けて表しています。下からレベルA(シングルエー)、レベルAA(ダブルエー)、そして最高のレベルAAA(トリプルエー)の3つを適合レベルとしています。それぞれの適合レベルで満たすべき「達成基準」が決められているので、ウェブコンテンツを制作する際にはその基準を達成するようにしていくとよいでしょう。
3つの適合レベルの違いを教えていただけますか。
太田:レベルAは非常に基本的なものです。例えば、画像の中にテキスト情報が何もないと、画面を読み上げる支援技術を活用したとしても、内容を理解することは困難です。そのためには代替テキストやキャプションを必ず付けましょうというように、アクセシビリティで最低限やらないといけないという基本的な部分がレベルAですね。
レベルAAはそれよりも少し上の基準で、支援技術を使わなくてもアクセスできるようにすることを目指しています。文字と背景の色のコントラストが低いと、文字を読むことが難しいでしょう。支援技術を使っている人はコントラストを調整できますが、そうでない人はコントラストを調整できません。そのために最低限のコントラストを確保できるようにすることなどがレベルAAです。ほかに文字の大きさを変更した時に崩れないようにするとか、ナビゲーション手段を複数用意するなどの項目があります。
レベルAAAは、さらに発展させた基準で、非常に厳しくて細かいレベルのものです。色のコントラストのお話をしましたが、レベルAAの基準で大体の人は読めるけれど、それでも読めないという人も中にはいるでしょう。そこでレベルAAAはさらに高いコントラストを求めています。