現代では医療だけが発展し、長生きする人たちの生活を保障する制度が追いついていません。また医療の中では生命維持の分野が特に進歩していますが、眼や耳、脳などを支援する分野はあまり進んでいないのです。
障害があっても、体が弱くなっても、高齢になっても働きたい人が働けるようにする技術は、あらたな労働力人口を生み出しますし、医療費の削減にもつながります。その結果、年金を受け取っていた人が、税金を払う立場に変わることになります。
現在のようなバリアを生み出している社会構造、また医療や経済におけるひずみを探り、そのひずみを軽減するにはどうしたらいいのでしょうか。必要な社会制度なども含めて基本的な問題を行政に提言する必要があると思います。政策提言を行うための学問として、バリアフリー学が必要だということです。これまでこの分野はまとまった学問となっていなかったのです。
福祉工学を専門とする人材を育てるために、さまざまな大学から、バリアフリーの分野に興味のある教養課程の学生に来てもらい、その重要性を理解するためのカリキュラムを設ける研究センターを作る準備をしてきました。やっと今年の4月にこちらに開設することになりました。
しかし、学問だけがあっても、なかなか社会貢献することにはなりません。そのため産業界にもいろいろな働きかけをしています。
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原本作成日: 2007年3月2日; 更新日: 2019年8月19日;