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福祉工学が作るバリアフリー技術(5/5)

5. バリアフリー機器の産業としての可能性はいかがですか?

福祉機器の開発の方法は国によって違いがあります。北欧モデルでは、税金を投入して少しくらい高いものでも作り、社会制度で流通を良くしたり、リサイクルできるようにしています。一方アメリカモデルは、市場マーケットに多くを任せ、行政はあまり関与しないという立場をとっています。日本は全部税金でまかなうのはむずかしいですし、完全市場マーケットにするには、数が少ないので力不足というのが現状です。

日本では、少品種大量生産が経済の牽引になってきました。そのため以前は福祉機器を研究開発しても、需要が少ないからとなかなか商品化につながりませんでした。しかも障害は人によって多様なので、バリアフリーの商品の場合は、少品種大量生産は通用しません。しかし、最近では世の中の考え方も少しずつ変わってきています。

これからは多品種少量生産が育つネットワークをつくって、バリアフリー機器が市場に安定供給される道筋をつける必要があります。行政が社会制度をつくり、バリアフリー機器を製作するベンチャー企業が生まれやすい土壌にすれば、安心して開発することができます。障害というのは、高齢になってから死に至るまで誰もが遭遇するという立場に立てばマーケットは膨大になり、バリアフリー機器の分野がうまく発展して海外へ輸出できるようになれば、マーケットは世界的に広がります。

東京大学先端科学技術研究センターは、障害のある方たちのため、また高齢化社会、高度情報化社会に向けて研究成果を少しでも社会還元できるようにしたいと努力しています。

■伊福部研究室
この記事で紹介させていただいたのは伊福部教授の研究の一部です。音響バーチャルリアリティや人工筋肉、などさまざまな先端的な研究をされています。

東京大学先端科学技術研究センター 伊福部・井野研究室

取材日:
2006年12月27日
取材協力:
東京大学先端科学技術研究センター 伊福部研究室
伊福部教授の写真
取材者:
独立行政法人 情報通信研究機構 情報通信振興部門 バリアフリーサイト

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