――ウェブを利用する上で、使いにくさを感じるのはどんなところでしょうか?
宍倉:視力が弱いのに加えて視野がかなり狭いので、画面に近づかないと文字が読めなかったりします。ホームページの画面の色と文字の色によって、かなり見づらかったりします。
――そういった見づらさでは、どのような設定や工夫をしているのでしょうか?
宍倉:文字の線が細いと見えにくいので、ブラウザでのフォントはゴシック体にして見ています。
大変なのは、インターネットで申し込むときの送信フォームで、メールアドレスを入力するところに「確認のためもう一度同じものを入力してください」が出たときでした。でも、メールアドレスを辞書登録してからは、そこまで大変ではなくなりました。
――この際ですから、パソコンやソフトのメーカーに、こうなるともっと使いやすいのになぁという希望がありましたらお聞かせください。
宍倉:単語とかを読み上げてくれると良いですね。先ほども言いましたが、ワープロを始めてから漢字を覚えましたので、ときどき読めない漢字があるのです。
――ウェブがこうなると、もっと利用しやすくなるのに…という要望もどうぞ。
宍倉:文字と背景の色が同系色じゃないほうが見やすいです。たとえば、背景が白くて文字が青系の文字だと、見づらくて読むのが疲れます。
「インターネットオプション」で、フォントをゴシック体にしているはずなんですが、明朝体で表示されるページがあります。「文字のサイズ」を「最大」にしても、文字が大きくなってくれないページがあります。
――それは、ホームページの作り手が書体や文字の大きさを指定しているからです。そうですね。では、今回のインタビューのお土産に、宍倉さんのブラウザの「インターネットオプション」の「ユーザー補助」で、「Webページで指定されたフォントスタイルを使用しない」と「Webページで指定されたフォントサイズを使用しない」にチェックを入れ、どのページもゴシック体で大きく見えるよう設定しますね。
宍倉:それと、出てくる画像はそんなに大きくないのに、なかなか表示されないページがあります。
――たぶん、画像サイズを大きいまま無造作に載せている「無駄に重いページ」だったからだと思います。作り手は、回線速度が十分でない環境で閲覧している人もいることに気をつかってほしいものです。
宍倉:1ページの中の文章が段落もなく続いたり、とても長いのは疲れます。やはり文章には段落を付けてほしいですし、ある程度のところで次のページにしてほしいと思います。
それと、入力に時間がかかるので、購入するときの申込書ページで時間制限があるのが困ります。せっかく入力していたのに、最初からやり直さなくてはなりません。ぼくみたいな障害者もホームページを利用していることを知ってほしいです。
――時間制限で泣いているのは障害者だけではありませんよ。私だって考えながら書いていたらタイムオーバーになったことがあります。
「送信」を押したら確認ページで「記入漏れ」を指摘され、前のページに戻ったらそれまで書いたのが全部消えていたため、最初からやり直さなければならなくなったことが何度もあります。間違っていなかったところくらいは残しておいてほしいのですが…。
他にも何か要望はありませんか?
宍倉:ページを開くといきなり画面が点滅するページは目が疲れます。なんでこんなところに使うんだろうと正直思います。「ここをクリックしてください」とチカチカしているのも好きではありません。気持ちが悪くなるとまでは言いませんが、気持ちが良くないです。
――確かにそんなページってありますよね。今日は4時間のインタビューにお付き合いいただき、ありがとうございました。
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原本作成日: 2007年6月8日; 更新日: 2019年8月19日;