重度の障害のある方に向けた支援機器は、数百単位を扱う世界です。よく売れるものでも500個くらいです。このような機器の開発に携わっていると、ユニバーサルデザインという手法はちょっと合わないように感じています。ユニバーサルデザインは一般の人も障害のある人にも使いやすいようにデザインされているので、数も出るでしょう。しかし、私たちは障害がある方が必要としている機能や便利さを考えた、スペシャルニーズを製品化します。スペシャルニーズで作るものは、一般の人には必要のない機能もありますから、これはスペシャルデザインといえます。
当社では、障害者向けにキーガードを付けた「小型ひらがなキーボード」を12年前に開発しました。ひらがなを50音表のように配列したものです。スティックなどでキーボードを使う方の場合は、アルファベットを組み合わせるローマ字入力よりも日本語入力の方が使いやすいのですが、標準のキーボードでは、ひらがなの位置がばらばらでわかりにくいという声をもとに製作したものです。この製品はコンスタントに売れています。
※資料3 小型ひらがなキーボードUSBの写真
その後多くのユーザーから「特殊なキートップではなく普通のキーボードはないですか」というニーズに応えて商品化したのが、「あいうえおキーボード」です。ひらがなは50音ひらがなキー配列、ローマ字の配列と文字キー以外のファンクションキーなどは標準的な配列にしていますが、一見ごく普通のキーボードです。
※資料4 あいうえおキーボードの写真
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原本作成日: 2008年6月16日; 更新日: 2019年8月20日;