身体的にどんな状況になっても自分自身でできることを増やしていくための自己決定のツールとして、ITは大きな役割を果たすと思います。今後はさらにさまざまな障害に対応して、毎日の生活の中にITを取り込み、情報を活用できるようにすることが求められます。
障害がある方や高齢者がIT利用を始めるまでは時間がかかりますが、利用する人は確実に増えてきています。障害があって外に出られない方にとってITは一度使えるようになると、とても便利なので使い続けます。しかし、支援者がいなくなるとか、テクノロジーが新しくなることで使えなくなってしまわないように配慮していく必要があります。
現在のところ、福祉情報コーディネーターの資格を取得した人の多くは、作業療法士など障害のある方を支える現場で働いている人たちです。作業療法士は道具を使って患者さんの生活を豊かにするようにするのが使命ですから、専門性を発揮して支援をする際には新しいテクノロジーを入れていってほしいですね。
地域で障害者へのIT支援に取り組んでいる団体は、現在ボランティアベースが多く、資金や人材が足りない、障害についてわかっている専門家がいない、またサポート自体が体系化されていないような状況にあります。今後は、福祉情報技術コーディネーターの資格取得者が地域で活躍する機会をさらに多くつくり出すようにしていきます。
※写真2 e-AT利用促進協会理事の山田栄子さん
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原本作成日: 2008年8月18日; 更新日: 2019年8月7日;