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大学入試センターでの音声出題システムの開発が、受験の道と未来を開く(4/5)

4. 見えない二次元コード方式の仕組みについて

二次元コードとは、水平方向と垂直方向、二方向に情報を持つコードのことで、一般によく知られているQRコードも二次元コードのひとつです。見えない二次元コードは、一面に印刷すると背景色となり、文字や図の視認を妨げないという特徴を持っています。この見えない二次元コードを一緒に重ねて印刷した文書構造表を使用することで、音声問題が開発できるのではないか、という考えから研究を始めました。

試験に必要なものは、この文書構造表と、朗読した音声データを内蔵したコードリーダーつきのIC音声レコーダー(以下、電子ペン)の2つだけです。視覚や触覚で長文の問題文全体を読まなくても、文書構造表を電子ペンでタッチするだけで、問題文の文書構造を把握しながら、問題文にランダム・アクセスして、音声で自由に読むことができます。また、表や図にも見えない二次元コードを重ねて印刷できるので、センター試験の場合、全ての問題を音声で出題することが可能になるのです。

この文書構造表は、白黒に見えますが、実は全てカラーで印刷されています。カラー印刷というのは、色の三原色シアン、マジェンタ、イエローに、ブラックを加えた4色で印刷されるのですが、文字や図をシアン、マジェンタ、イエローで印刷し、二次元コードをブラックで印刷するようにする。そうすると、ブラックにはカーボンが入っているので、これに電子ペンが反応し、二次元コードだけを読み取って音声が再生される、という仕組みです。

実際に、この見えない二次元コード方式で作成した現代社会の問題を、視覚特別支援学校の皆さんに解いてもらったのですが、音声出題にさほど慣れていなかったのにも関わらず、点字問題と同様にほとんど違和感なく試験を受けていただけたようです。今後は、国語や英語、数学、理科等、他の教科でも実験を行っていく予定ですが、テスト・メディアとして使えるであろう、という明るい見通しを持って開発を進めているところです。

印刷物の文書構造表に電子ペンでタッチしている写真
※写真2 見えない二次元コードが印刷された文書構造表を電子ペンでタッチすると、問題文の音声が再生される。

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